NTTは2022年11月14日、同社のIOWN構想の基盤技術の1つである「Open APN」の動作実証を、シエナと富士通、NECと共同で実施すると発表した。
Open APNは、IOWN構想の推進団体であるIOWN Global Forumが策定した、オールフォトニクス・ネットワーク(APN)を実現するためのオープンアーキテクチャだ。下図表のように、ユーザー拠点間を直接、光波長パスで接続。データセンター間接続の大容量化や、低遅延化による遠隔医療ロボットのリアルタイム操作などが可能になる。
Open APNの概要とユースケース例
NTTは今回、光伝送システム等を開発・提供するベンダーと共同でOpen APNの基本機能に関する動作実証を行うことで、Open APNアーキテクチャが市中の製品をベースに実現できることを確認し、世界市場でのOpen APN導入の加速につなげるとしている。
Open APNアーキテクチャで定義されているネットワークノードは、光伝送システムのオープン化団体である「Open ROADM MSA」によって定められた標準部品を所定の構成方法で組みわせることにより実現可能であり、これらの標準部品はシエナ、富士通、NEC等のベンダーがすでに製品化している。
これらの製品を活用し、Open APNアーキテクチャに基づき大容量・低遅延な通信が実現できることを確認するためのフィールド実証を2022年度第4四半期に実施。2拠点間での光波長パス生成などの機能確認、スループット・遅延などの性能確認、光波長パスの端点に配備する端末のマルチベンダ接続確認などを行う。
NTTは2023年度以降のAPNサービス開始を計画しており、今回の実証結果はAPNサービスでの活用を目指すとともに、IOWN Global Forumを通じて公開する予定だ。Open APNが世界の製品ベンダーの既存製品をベースに実現できることの認知を広める狙いがある。