Microsoft Viva(ビバ)は、2021年2月にマイクロソフトが発表した“従業員体験プラットフォーム”だ。
コロナ禍によって働く場所が分散化したことで、従業員同士のつながりが希薄化。情報共有が困難となり、成長機会の毀損など様々な問題が顕在化している。Vivaは、従業員体験の向上、そして企業と従業員のつながり(従業員エンゲージメント)を強化することで、こうした課題を解消することを目的に開発された。
Vivaは、Microsoft 365/Teamsに機能を追加する「モジュール」として提供される。日常的に使っているOutlookやTeamsのチャット/Web会議と同じ画面上で利用することが可能だ。
2022年8月30日時点で提供中のVivaモジュール
例えば、2021年から提供されている「Vivaインサイト」では、Teamsを使った業務や同僚等とのやり取りをAIが分析し、生産性とウェルビーイング(心身と社会的な健康)を向上させるために休憩を取ることを推奨したり、集中を助けるために一定時間チャットをオフにする機能が備わっている。自分の感情を記録し、心と身体の健康を管理する機能もある。
そのほか、AIが社内の情報を自動的に集約・整理してくれる「Vivaトピック」、Teamsから社内のSharePointサイトに簡単にアクセスできるようにする「Vivaコネクション」、社内の学習コンテンツを集約してくれる「Vivaラーニング」といったモジュールが提供されている。
8月と10月に3つの新モジュールを追加
このVivaについて、日本マイクロソフトが2022年8月30日に記者説明会を開催した。
(左から)日本マイクロソフト モダンワークビジネス本部長の山崎善寛氏、
同本部 プロダクトマーケティングマネージャーの加藤友哉氏、
ビジネスアプリケーション本部 プロダクトマーケティングマネージャーのサンタガタ麻美子氏
モダンワークビジネス本部長の山崎善寛氏によれば、国内でもVivaの活用事例が増えている。東京都渋谷区はVivaインサイトの導入によって「Microsoft 365のデータを使って職員の働き方を可視化する『渋谷区オフィスダッシュボード』を構築している」という。
ディーラー3社を経営統合した横浜トヨペットでは、従業員の働き方を示す定量的データの可視化にVivaインサイトを活用。Microsoft 365/Teamsのデータだけでなく、外部ツールである名刺管理システム等のデータも取り込んで、Vivaインサイトで計測・分析を行っている。
2022年8月以降に提供開始する新モジュール
マイクロソフトは前述の4つのほかにも新たなVivaモジュールを開発しており、今回の説明会では、新たに提供を開始する3モジュールの機能について解説した。8月1日と24日に一般提供を開始した「Vivaゴール」「Vivaエンゲージ」、そして10月から一般提供を開始する予定の「Vivaセールス」だ。