企業ネットワーク最前線

[シリーズ]ICTを活用して風土改革に挑む! <第1回>

【東京海上日動システムズ】社内SNSが“縦割り意識”一掃

文◎小林秀雄(ITジャーナリスト) 2011.01.26

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(左から)東京海上日動システムズの秋口
久慶氏、河野美紀子氏、坂本真吾氏。
ワークスタイル改革委員会のメンバーとして、
風土改革を今も推し進めている

ICTツールで企業風土は改革できるのかを探るシリーズ第1回は、社内SNSや社内Twitterを使いこなして“縦割り意識”の払拭に成功した東京海上日動システムズの取り組みをレポートする。

社内SNSが社員を結びつけた

ワークスタイル改革委員会が具体的な目標としたのは、アセスメントで指摘された4つの問題を解決することだ。そのためにまず始めたのは、同社が開発した情報システムを活用している現場(保険代理店や事務集中センター、営業店など)を訪問する活動だ。次に現場訪問活動を通じて得た気づきや情報をリアルな場で共有するオフサイトミーティングを実施した。その次のステップとして推進したのはコミュニティ活動だ。そのコミュニティ活動が社員の縦割り意識を打破する効果をもたらした。

コミュニティ活動とは、あるテーマごとに社員が集い、継続的に語り合うものだ。コミュニティのテーマは自由。「Windowsの使い方を極める」コミュニティもあれば、「ラーメンが好きな人が集まる」コミュニティもある。組織を越えて社員が互いに知り合う流れを広げていく取り組みといえる。

フェース・ツー・フェースをべースとして始まったコミュニティ活動をより活発にするツールとして07年6月に利用を始めたのが社内SNSだ。「wakuwakuSNS」と名付けられた同社の社内SNSは組織の壁を越えて社員を結びつける場として機能し、風土改革推進のための強力なツールとなった。

 

東京海上日動システムズの社内SNS「wakuwakuSNS」の画面
東京海上日動システムズの社内SNS「wakuwakuSNS」の画面


社内SNSは、ITベンチャー企業の手嶋屋が中心となって開発したオープンソースソフトのOpenPNEをべースに東京海上日動システムズがカスタマイズしたもの。主に利用している機能は、日記とコミュニティだ。使い方に縛りはない。「いつ使ってもいいし、仕事に関連があってもなくてもいいといっている」と坂本氏。日記の中で仕事にかかわるものは1割ほどで、残りの9割は「部のメンバーとバーベキューに行ってきました」というような業務に直接関係のないものだ。

縛りがないので参加しやすい。また、そういう場だからこそ、仕事で必要な情報が瞬く間に入手できる仕組みができあがっている。坂本氏がある代理店を訪問した際、2つの要望を受けた。そのうちの1つにはすぐ対応できたのだが、もう1つの解決策に悩んだ。社内SNSの日記に「解決するための知恵をください」と助けを求めたところ、何人もが返事を書き込んでくれ、代理店の要望に迅速に応えられたという。組織を越えて社員がつながることによって問題を解決できたケースだ。

面識ない社員同士を円滑化

日記とともに社内SNSのコミュニティ機能も社員の一体化に寄与している。ワークスタイル改革委員の1人でラーメンコミュニティを主宰する秋口久慶氏(商品・プロセスソリューション本部)は「部門が違うため知り合うことがなかった人と知り合いになれる。違う部門の人と一緒に仕事をするとき、もともと知り合いの人だと心理的なハードルが低くなる」と語る。コミュニティは、仕事に関連することであれ、共通の趣味であれ、部門にとらわれずに社員が集まり語り合う場だ。社内SNSは社員の結びつきを広げていく。

同社の社内SNSには、まだ面識のない社員のことをよく知るための機能も盛り込まれている。それは、イントラネットに設けられた社員紹介ページと社内SNSとがリンクしていることで実現されている。社員紹介ページは、社員の氏名や顔写真、所属部署、経歴や担当している業務などを記載するもの。同じ会社に働く社員同士とはいえ、初めて連絡を取るケースは少なくない。そんなとき、あらかじめ相手がどんな人なのかある程度知っているとコミュニケーションはスムーズに進む。そんな気持ちに応える仕掛けとなっているのが社員紹介ページである。

ワークスタイル改革員会のメンバーであり、社内SNSの運営を担当しているアドバンス企画部の河野美紀子氏は、「初めての人と会う前には、まず社員紹介ページでその人の顔を見る」という。次いで、そのページに設けられているSNSボタンを押す。すると、その人の書いた日記を読むことができる。実際に顔を合わせる前に人となりを知ることができるわけだ。

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