米ヒューレット・パッカード(HP)は2010年4月28日(米国時間)、スマートフォンメーカーの米Palm社を12億ドルで買収すると発表した。買収は7月末までに完了する予定だという。
PDA「Palm」でかつて一世を風靡したこともあるPalm社だが、BlackBerryやiPhone、Androidといった強力なライバルがひしめくなか、スマートフォンの時代にあっては存在感は薄まる一方だった。そうしたなか起死回生を狙って2009年に市場投入したのが「Palm webOS」と同OS搭載のスマートフォン「Palm Pre」「Pakm Pixi」だったが期待ほどは振るわず、直近の四半期決算(2009年12月~2010年2月期)では2205万ドルの赤字を計上していた。
一方、HPは以前からスマートフォン「iPAQ」シリーズを提供していたものの、シェアは長らく低迷しており、今回の買収によりスマートフォン事業を一気に強化する狙いがある。
なお、HPは最近、ネットワーク機器ベンダー、3COM社の買収手続きを完了したばかり。ルーター、スイッチなどの企業向けネットワーク製品群に続いて、エンタープライズ市場においても重要性が今後ますます高まるスマートフォン製品群の増強にもメドをつけた格好になる。