ソフトバンクは2022年5月26日、5Gに対応するMEC(以下、5G MEC)の全国展開を5月から順次開始し、まずは関東地方に提供拠点を開設したと発表した。
ソフトバンクでは5G MECを活用し、5G による低遅延かつ高品質でセキュアなアプリケーションの通信環境を提供する。
これまでのモバイルネットワークやインターネット上の通信では、ユーザーがサービスを利用する際、遠距離にあるアプリケーションサーバーへアクセスする必要があった。今後は5G MECを活用し、5G SAのネットワーク内のユーザーの通信端末に近い場所にアプリケーションを展開することで、サーバーへのアクセスにかかる時間を大幅に短縮することができ、高速で低遅延のサービスを利用可能になる。
5G MECでは、次世代のアプリケーション開発の業界標準であるKubernetes(クバネティス)ベースのコンテナ基盤を提供する。また、サーバーの設置など物理基盤の構築からアプリケーションの展開まで自動化しているため、サービスの提供の迅速化、耐故障性およびアプリケーションの開発やトライアルの容易性に優れたネットワーク環境を提供することができる。さらに、5G MECではソフトバンクによるサービスの提供だけでなく、ユーザーによるサービスの提供にかかる時間も大幅に短縮して迅速にサービス展開することができるため、自動運転やスマートビルの管理、工場の自動化、クラウドゲーミングといった様々な産業のユースケースでの活用が可能だという。
ソフトバンクは、「ソフトバンク5Gコンソーシアム」の参画企業・団体をはじめとするパートナー各社との多種多様なユースケースの実証実験を進めるとともに、5G MECの全国展開を進めていく。さらに、SRv6 Flex-AlgoやSRv6 MUP(Mobile User Plane)といった最新技術を組み合わせることで、サービス要件に応じた専用の仮想ネットワークが提供できるネットワークスライシングや、MECの特性を生かした低遅延サービスをより迅速かつ柔軟に提供できるよう開発を推進していきたいとしている。