Opensignalは10年以上にわたって、モバイルユーザーの体感品質に関する調査を実施している。スポンサーからの資金提供がない独自調査であること、グローバルに同じ測定方法と分析指標を用いていることなどから、年2回発行する調査レポートは各国の通信事業者並びに監督官庁で多く採用されている。
その同社が2022年4月26日、日本における最新版の調査レポート(データ収集期間:2021年12月から2022年2月)を発表した。同レポートではビデオやゲーム、音声通話、ダウンロード/アップロード速度等のカテゴリー別に国内4事業者の5Gユーザー体感を測定。同日に行われた記者説明会で、分析担当バイスプレジデントのイアン・フォッグ氏が分析結果について説明した。
Opensignalの調査手法、半年に一度レポートを発行している
ビデオとゲーム、音声アプリの勝者はソフトバンク
アプリケーションごとの体感品質については、「ビデオ」「ゲーム」部門でソフトバンクが最高成績を記録した。
Opensignal 分析担当バイスプレジデントのイアン・フォッグ氏
動画を実際にストリーミングし、ITU(国際電気通信連合)と同様の手法で評価した「ビデオエクスペリエンス」では、ソフトバンクが、4Gユーザーを含む全体で66.0、5Gのみでは77.9ポイントを獲得。「75点を超える『Excellent』の評価はソフトバンクが唯一だった」(フォッグ氏)。
なお、いずれの事業者でもモバイルユーザー全体(上図表の左側)に比べて5Gの体感品質(同右側)のほうが高いスコアを記録しており、5Gがビデオストリーミングに適していることがわかる。
「ゲームエクスペリエンス」は、遅延やジッター、パケット損失等も含めて、マルチプレイヤーのモバイルゲームを利用した際の体感品質を測定。こちらも5Gのほうが全体よりも高いスコアを記録しており、「両方でソフトバンクが勝者となった」(同氏)。
また、LINEやWhatsApp、Skype等の音声アプリの体感品質に関しては、ソフトバンクと楽天が最高スコアを記録している。