F5ネットワークスは1996年に創業し、負荷分散装置(ロードバランサー)や負荷分散装置に機能を追加したADC(Application Delivery Controller)などを提供してきた。しかし近年は様々な企業を買収し、事業領域がネットワークに留まらなくなってきたことから、社名変更に至ったという。
「会社名というのはビジネスの領域を決めていく大事な要素。会社にとっては大きな変更になるが、26年目を迎えたF5の新しい1ページとして社名をF5.Incに変更した」とF5 ネットワークスジャパン 代表執行役員社長の権田裕一氏は述べた。なお日本法人は登記の手続きが完了しておらず、現時点での社名はF5ネットワークスジャパンのままだが、今後変更する。
F5 ネットワークスジャパン 代表執行役員社長 権田裕一氏
買収したソリューションもF5の3ブランドに統合同社は社名の変更にあわせて、既存のソリューション群およびブランドの再編も行った。大きく「F5 BIG-IP」、「F5 NGINX」、「F5 Distributed Cloud Services(以下、DCS)」の3ブランドに集約する。
F5 BIG-IPはミッションクリティカルなシステム向けに、オンプレミスにホストされる仮想・物理アプライアンスなどを提供していく。F5 NGINXは主にパブリッククラウド、コンテナ環境に向けてアプリケーション配信&セキュリティ技術を提供するブランドで、同社のADCが軸となる。
そして同社が最も力を入れてアピールしたのがDCSだ。こちらはF5の持つアプリケーション配信&セキュリティ技術をSaaSで提供するブランド。
例えば、不正ログインやオンライン詐欺などを防ぐ「Shape Security(参考:F5、1000億円超で買収した「Shape」で新たなセキュリティ対策)」や、マルチクラウド環境にセキュアなネットワークを構築する「Volterra」などのソリューションをDCSに統合した。「今後は新しいSaaS型サービスは全てDCSからを提供していく予定だ。その第1弾として『Web Application and API Protection(WAAP)』の提供を開始する」と権田氏は語った。
F5 新ブランドへの統合