SPECIAL TOPIC5Gも有線も、全てを繋げるモバイルルーター 映像伝送、電波調査など強化で「ほぼ新モデル」

京セラの5Gモバイルルーター「K5G-C-100A」は昨年の発売から順調に引き合いが増えている。5G/ローカル5Gを使った映像伝送や電波調査などに多く使われてきたが、大幅なバージョンアップによってSIerにもユーザーにもうれしい機能強化・改善が実現し、さらに使い勝手が良くなった。

様々な業界で5G活用が模索される中、京セラの5G対応モバイルルーター「K5G-C-100A」の採用が広がっている。

重さ約326g、大きさはスマホを3台重ねたぐらいの持ち運びに便利なサイズだ。モデムチップにはSnapdragon X55を採用。国内の5G、ローカル5G、4G/LTEすべての周波数帯に対応し、5GはNSA/SA構成のどちらでも利用できる。デュアルSIMに対応しているので1枚をパブリック4Gや5GのSIM、もう1枚をローカル5GのSIMにして切り替えて使うこともできる。

K5G-C-100A
K5G-C-100A

本体のインターフェースはUSB-Type Cだが、アダプターを使えば有線LANやHDMIなども接続可能。無線ではBluetooth 5.1やWi-Fi 6にも対応し、最大20台の同時接続ができる。

2021年5月に提供を開始して以来、非常に好評で、すでに多くの実証実験に利用されている。

好評の理由はいくつかあるが、まず特徴的な点が排熱処理に優れた冷却ファンを搭載していることだ。一般的なモバイルルーターは連続使用を続けるとオーバーヒートしてスループットが低下したり、最悪の場合はリセットやシャットダウンされることもある。K5G-C-100Aは一定の温度に達すると内蔵された冷却ファンで排熱するため、例えば4K映像を長時間伝送してもハイスループットが持続する。

排熱処理に優れた冷却ファンが搭載されている
排熱処理に優れた冷却ファンが搭載されている

また、DHCPやパケットフィルタリングなど据え置き型のルーターと遜色ない機能を持ち、オフィスでノートPCやモバイルデバイスを繋げるなど、据え置き型と同じように利用できる。

さらにアプリケーションOSにAOSP(Android Open Source Project)を、SoC(System-on-a-Chip)にはSnapdragon 865を採用。RAM8GB、ROM128GBのメモリを備えており、1台でエッジコンピューティングに利用できるほか、独自アプリケーションの開発もできる。

あらかじめインストールされている映像のエンコード/デコードアプリを使えば、カメラとK5G-C-100Aを接続して直接エンコードしてクラウドに送信したり、反対にデコードした映像をディスプレイに映したりすることもできる。こうした特徴から、映像・放送業界からの引き合いも多い。

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