医療法人社団バリュースマイル 大宮SHIN矯正歯科とNTTドコモは2021年10月27日、5Gとスマートグラスを活用した遠隔マウスピース矯正歯科治療支援の実証実験を行ったと発表した。同年6月23日から9月30日に、5G等のドコモの携帯電話回線を用いて実施したもので、複数の歯科医院を結び、実際の患者の矯正歯科治療支援をリアルタイムに行うことに成功した。
本実証実験のイメージ
発表によれば、マウスピース矯正歯科治療は、理想の歯形にしていくための診療(噛み合わせや咀嚼機能向上など)に患者の個人差が現れることから、症例数の多い熟練医師による診療支援・指導への要望が多くあるという。
本実証実験では、日本有数の症例数を持つ大宮SHIN矯正歯科の医師から、町田駅前矯正歯科(東京都町田市)と、うえの矯正歯科(茨城県つくば市)の実際の患者約50名に対して遠隔診療支援を行った。
診察する歯科医師がスマートグラスを装着し、スマートグラスに搭載されたカメラにより、患者の口腔内および顎の動きなどの映像を、大宮SHIN矯正歯科にいる診療支援者にリアルタイムに伝送。診療支援者はスマートグラスを装着した歯科医師に対して音声による指示のほか、患者の口腔内の3Dスキャンデータおよび過去の症例を確認することにより、視覚的な情報を用いた診療支援も実施した。
実証実験の環境については、ドコモが提供する5G等の携帯電話回線と、10月27日より商用提供を開始した遠隔作業支援ソリューション「AceReal Assist(エースリアル アシスト)」を先行使用し、「ドコモオープンイノベーションクラウド」上に、インターネットを一切通らない高セキュアなネットワーク環境を構築した。
実証実験の構成
本実証実験の成果をもとに、大宮SHIN矯正歯科は、全国の歯科医院でより質の高い矯正歯科治療が受診できる遠隔診療支援サービスの提供に向けた取り組みを推進していくとしている。