「XR市場の2割か3割を2025年にはNTTグループで取りたい」
2021年9月29日、NTTはXR事業に関するグループ戦略を発表。これに伴い、開催したオンライン説明会で、NTT 経営企画部門 XR推進担当 担当部長の山下博教氏はこのようにNTTグループの目標を語った。
NTT 経営企画部門 XR推進担当 担当部長の山下博教氏
NTTグループのXR戦略の軸になるのはIOWN構想だ。これは光ファイバーから伝送装置、半導体、ネットワークから端末に至るまで全てにフォトニクス(光子)ベースの技術を導入することにより、低消費電力・高速大容量・低遅延などを実現しようというもの。
「IOWNの活用により、XRのプラットフォームにクラウドレンダリングの技術を実装可能になる。IOWN構想のアウトプットの1つとしてXRがある」と山下氏は説明した。
NTTが打ち出すIOWN構想の概要
山下氏は現状のXRについて、デバイス側の制約から、ユーザー側の没入体験が損なわれていると指摘した。描画処理などをデバイス側で行う必要があり、どうしてもデバイスが大型化するといった制約だ。
「そこで描画処理をクラウド側で完結させ、IOWNで結果を返す。低遅延が求められるラストワンマイルについても、5Gや6Gなど、その時の最先端のネットワーク技術を用いていく」
IOWNを活用したXRのイメージ
IOWN自体は2030年を目標に展開していくが、「2024年ごろからIOWNの要素技術の1部は既存のネットワークに活用していく」ことで、XRビジネスを加速させていく予定だという。