NECは2021年4月28日、sXGPに対応したプライベートLTEシステムにおいて、2020年12月から運用帯域の拡張によって利用可能となった新周波数チャネルに対応したsXGP対応アクセスポイントとコントローラの販売を開始した。
sXGPは免許不要の1.9GHz周波数帯を用いるシステムで、病院や工場、倉庫などの自営ネットワークで音声通話やデータ通信などに活用されている。LTEのSIM認証による秘匿性の高さや、無線LAN等と比べたノイズの少なさが特徴だが、同じ周波数帯を用いる自営PHSやDECT(デジタルコードレス電話)がすでに敷地・建物内や周囲で使われている場合、無線干渉により利用が困難な場合があった。
新周波数チャネルへの対応の効果
今回、新たに利用可能となった周波数チャネル(2020年12月10日発表官報の電波法施行規則及び無線設備規則の一部を改正する省令に基づく)に対応することにより、こうした無線干渉の問題を解決した。新周波数チャネルはsXGP専用となるため、エリア設計・構築の際に無線干渉の影響を考慮する必要がなくなり、効率と柔軟性が大幅に改善されるとしている。
なお、これまで出荷されたNEC製のsXGP対応APについては、ソフトウェアアップデートにより新周波数チャネルに対応することが可能だ。
また、VLANに対応したことで、セキュリティやネットワーク設計の柔軟性も向上した。連携対応となるコミュニケーションサーバー等も拡充。病院でのナースコールシステムへの対応など連携範囲を広げることが可能となった。
NECでは本システムを2025年度までに累計1000システム以上提供することを目指す。