「ソフトバンクモバイルは4000万回線を目指す」――孫社長が10年以内の実現をコミット

ソフトバンクの2011年3月期第2四半期の連結業績は、営業利益3000億円超で5期連続最高益を達成した。その反動で「今後」について疑問の声も上がるなか、「ソフトバンクモバイル4000万回線構想」を発表した。

「一言で申し上げて、順調でございます」。ソフトバンクの孫正義社長は、2010年10月28日に開催した2011年3月期第2四半期の決算説明会でこう切り出した。

上期の連結業績は、売上高が前年同期比9%増の1兆4650億円、EBITDAは同19%増の4593億円。営業利益は同37%増の3155億円で3000億円を超えるとともに、5期連続最高益を達成した。移動体通信事業の好調継続が大きな要因であり、同セグメントの売上高は同13%増の9350億円、EBITDAは同24%増の3103億円、営業利益は同57%増の2072億円となった。

連結売上高 (クリックで拡大) 連結営業利益 (クリックで拡大)

移動体通信の上期の純増契約数は、前年同期比2.3倍の160万だった。また、「世界的に携帯会社のARPU(1ユーザー当たりの平均収入)が右肩下がりのなか、当社は反転した」と孫社長が言うように、iPhone、iPadの好調などの要因でデータARPUが急激に増加。2007年度第2四半期を100とした指数で、160近くまで増加している。「お客様の数が増えてARPUが増える。この掛け算で増益の大きな要因になっている」という。

純増契約数の伸び (クリックで拡大) ARPUの伸び (クリックで拡大) データARPUの伸び (クリックで拡大)

ソフトバンクの「勝利の方程式」

「順調」をアピールした孫社長はさらに、「皆さんの共通の疑問は“ソフトバンクは今後も勝ち続けられるか?”ではないかと思う」と語り、「答えは“やりましょう。”」と自身がTwitterでつぶやく「決意を表わす決め台詞」を使って「“モバイルインターネットNo.1”をやります」と宣言。「スマートフォン+スマートパッド=ソフトバンク」というソフトバンクの「勝利の方程式」を示した。その方程式とは、まず、今後は従来端末の販売が減ってスマートフォンが増える。次にPCの販売が減ってiPad等のスマートパッドが増える。その結果、他社は売り上げが減るだろうがソフトバンクが増えるというものだ。

ソフトバンクの「勝利の方程式」 (クリックで拡大) 「ソフトバンクモバイル4000万回線構想」 (クリックで拡大)

孫社長は勝利の方程式のキーとなる、iPhoneに代表されるスマートフォンとiPadの現状を紹介したうえで、スマートフォンとスマートパッドでNo.1を獲得することでモバイルインターネットNo.1を目指すとした。そして、新たな数字目標として、現在約2400万のソフトバンクモバイルユーザーを4000万に引き揚げる「ソフトバンクモバイル4000万回線構想」を発表した。孫社長は、「今よりもしっかりとした“増益”をしながら、“純有利子負債ゼロ”というコミットメントを継続しながら、4000万回線を実現させる。一旦口にした以上は何が何でもやる」と力を込めた。4000万回線の達成時期については「201X年」としており、「10年はかからないが、1年以上はかかる」と語った。

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