Viptela創業者の新会社が日本参入 初の「ネットワーククラウド」謳うアルキラ社

ネットワークインフラをクラウドサービスとして提供する米Alkira社(アルキラ社)が日本市場に参入する。ネットワーク機能とセキュリティ機能をクラウド上で統合提供するSASEがトレンドになっているが、アルキラ社は何が違うのか? 同社は初の「ネットワーククラウド」を標榜する。

Network as-a-Serviceを提供する米Alkira社(アルキラ社)は2020年12月3日、日本市場への参入を発表した。日商エレクトロニクスが国内最初のパートナーとなった。

アルキラ社は、シスコシステムズが買収したSD-WANベンダー、Viptela社の創業者でCEOだったアミール・カーン氏らが2018年に設立した。CTOは、弟で同じくViptela社の創業者であるアティーフ・カーン氏が務める。

「我々はネットワーククラウドの先駆者だ。クラウドサービスプロバイダー(CSP)にとってネットワークは後付けだった。そのため、CSPは独自のネットワークをオファリングし、エンドカスタマーは深刻な課題を抱えた。それぞれのクラウドのネットワークに関する専門性を有し、それぞれのクラウド用のネットワークを構築する必要があったが、我々はこうした顧客の痛みを解決した」。アミールCEOはアルキラ社をこう紹介した。

「Alkira Cloud Services Exchange(CSX)」の概要
アルキラ社が提供する「Alkira Cloud Services Exchange(CSX)」の概要

アルキラが提供するサービス「Alkira Cloud Services Exchange(CSX)」は、大きく3つの機能を用意する。

1つめは、エンドツーエンドのネットワーク接続だ。複数のパブリッククラウドとの接続、ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)、広帯域・低遅延かつグローバルに展開しているクラウドバックボーンネットワークなどをアズ・ア・サービスとして提供するという。

「MPLSのSLAは非常に高いが、高価で帯域幅は今一つ。インターネットは帯域幅は広いがパフォーマンスの予測がつかない。これに対して、我々のグローバルクラウドバックボーンはパフォーマンスに優れ、コストが安い。また、もう1つの利点がマルチクラウド、リモートサイト、オンプレミスなどをきれいにつなげることができる点だ。企業は数分で構築できる」とアミールCEOは説明した。

CSXで提供されるグローバルクラウドバックボーンの全体像
CSXで提供されるグローバルクラウドバックボーンの全体像

そして、2つめはネットワークセキュリティ機能、3つめはネットワークの可視化と制御である。

つまり、ネットワークおよびセキュリティの機能を統合的にクラウドで提供するのがアルキラ社のソリューションとなる。最近注目のSASE(Secure Access Service Edge)の一種と捉えることも可能そうだが、アルキラ社自身はSASEベンダーのソリューションとは一線を画すものと考えているようだ。

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