――ポリコムジャパンの社長に就任し、約半年が経過しましたが、テレビ会議システム市場をどう見ていますか。
柏木 当社を取り巻く市場環境が大きく変化していると実感しています。テクノロジーの変化はもちろんですが、特に大手のシスコシステムズがタンバーグを買収したということは、それだけ重要な市場に成長したということでしょう。
――パナソニックや日立製作所、NECなど、家電やオフィス機器大手の参入も目立ちます。
柏木 競合他社は、それぞれ脅威ではありますが、一方で彼らは従来からのコラボレーションパートナーでもあります。例えば、パナソニックのグループ会社とはセールスパートナー関係にありますし、NECともワールドワイドでの連携が進んでいます。ですから、競争と協調のバランスを上手く取り、市場を発展させていきたいと思っています。
UC関連の連携を強化
――最近、「ユニファイドコミュニケーション(UC)」関連の発表が増え、戦略のキーワードにしているように感じます。
柏木 ポリコムはワールドワイドでも、ITのビッグネームと比べれば小さな会社です。ですから、彼らと伍していくには、他のプレイヤーとのシナジーを追求し、インターオペラビリティ、スケーラビリティを重視して、テレビ会議ソリューションのパートナーとして選ばれる会社になる必要があります。そのためのキーワードがUC、当社の言葉でいえば「Polycom Open Collaboration Network」(POCN)なのです。
――POCNとはどのようなものですか。
柏木 パートナー各社が持っているUC関連のアプリケーションをポリコムがインターオペレートし、UC環境に対応する包括的なソリューションを、業界や企業規模を問わず、さまざまな組織に提供する戦略のことです。
現在、アバイア、BroadSoft、IBM、ジュニパーネットワークス、マイクロソフトといったUCプラットフォームプロバイダーとPOCNパートナー契約を締結し、例えばIBMの「Lotus Sametime」やマイクロソフトの「Office Communications Server(OCS)」、POCNパートナーではありませんが、NECの「UNIVERGE Sphericall」等とのインターオペラビリティの確保に取り組んでいます。