シスコシステムズ(以下、シスコ)は2020年9月18日、埼玉西武ライオンズと共同で、球場のデジタル化により、新たなスポーツ観戦体験を実現する取り組みを発表した。
9月22~24日にかけて、西武ライオンズの本拠地であるメットライフドームで「Cisco Super Series」を開催。Wi-Fiやネットワーク、デジタルサイネージ、コラボレーションツールなどシスコのテクノロジーを活用し、新たなスポーツ体験を提供するという。
今回の取り組みについて、シスコシステムズ 代表執行役員会長 鈴木和洋氏は、「新型コロナウイルス感染症の流行によって、ニューノーマルにおける新たなスポーツ体験が模索されている。Cisco Super Seriesの試みもその一環。コロナはスポーツ業界全体に大きなダメージをもたらしたが、逆にデジタル技術を活用した新しい観戦モデル、ビジネスモデルを確立するいい機会でもある」と話す。
テクノロジーで球場内外のファンに訴求
Cisco Super Seriesでは「ファンエンゲージメント~来場したファンにはもっと楽しく」と「球場外との連携~球場外のファンも一緒に楽しめる」の2つをコンセプトに、来場したファン、来場できなかったファンに向けて新たな体験を提供する。
来場したファンには、デジタルサイネージやWi-Fi、コラボレーションツールなどで、選手との交流やコンテンツ配信を予定している。
メットライフドームは現在デジタルインフラの整備を含めた改修を進めており、来シーズンからは球場内に約290台のデジタルサイネージを整備する予定だ。既に約70台が稼働しており、例えば、選手がホームランを打った際に、球場中のサイネージに様々な演出を同時に表示できる。
デジタルサイネージの利用イメージ
また、ファンと選手が交流するためのツールとして「Cisco Webex Board」という機器をドームに設置する。元々は企業の会議用に開発されたもので、デジタルホワイトボード機能を使ってファンから選手へ手書きのメッセージを書いてもらったり、ビデオ会議機能で試合前に選手がサプライズ登場し、ファンと交流できる企画も考えている。
Cisco Webex Boardで選手に手書きメッセージを送ったり、交流できる
キッズパーク内には「Cisco Smart Signage」を設置。このサイネージはコンテンツを配信するだけではなく、インタラクティブな体験を提供できるのが特徴。例えば子どもがサイネージの前でシャドーピッチングをすると、サイネージの中の選手がバットを振るといったゲームがプレイできるという。これもビデオ会議機能を備えているので、Webex Board同様に、実際に選手が画面上に表れて交流することもできる。
Cisco Smart Signageはインタラクティブな体験ができるのが特徴
さらに、球場内専用のWi-Fi「Cisco-Lions Wi-Fi」を活用して、Wi-Fiを利用しないと貰えない特典やサービスを配信するという。
壁紙配信や、通常は有料の「パ・リーグTV」の無料視聴などを考えているという