TANA-X(タナックス)とリコーは2020年6月22日、複数のシェルフ・サイネージをIoTセンサやAIで統合制御し、来客属性に合わせて最適なデジタル販促コンテンツの配信を可能にするシステム「コネクテッドシェルフ(Connected ShelfR)」を共同開発したと発表した。タナックスは今後、実店舗での実証実験を予定しており、2020年末頃の本格展開を目指すとしている。
年齢や性別などの来客の属性に合わせて最適なコンテンツを表示し、ダイナミックに売り場を演出する
コネクテッドシェルフは、距離センサーを利用した来客滞留モジュール、カメラとAIの連動による来客属性モジュールなどのセンサモジュールで取得したデータに基づき、商品棚に設置した複数のシェルフ・サイネージを連動させるもの。年齢や性別など来客の属性に合わせて最適な販促コンテンツをダイナミックに表示する。
さらに、取得した来客の滞留情報や属性情報、購買行動、閲覧・表示コンテンツ種類などのデータはログとして記録され、マーケティングに活用することができる。既存の商品棚に搭載できるため、導入の手間やコストも抑えられるという。
デジタルサイネージ事業を手掛けるリコーが、クラウド型サイネージ配信サービス「RICOH Digital Signage(リコーデジタルサイネージ)」をベースに、カメラとAIを使った画像認識によるインタラクティブな販促コンテンツ切り替えや、複数のセットトップボックス(映像受信機器)の同期などを統合的に管理するCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)といったシェルフ型サイネージ向け機能を開発・提供した。
両社は、コネクテッドシェルフにより、小売店舗におけるDX戦略の新たな一翼として、小売・流通業のさらなる活性化と売上拡大を後押しする。
また、新型コロナウイルス感染拡大が国内小売店舗の営業にも深刻な影響を及ぼしているなか、コネクテッドシェルフは販売員の対面接客をサイネージで代替でき、ウイルス感染リスクの軽減が期待されるとしている。