KDDIがテレコム分野のイノベーション強化 Telecom Infra Projectで新たな取り組み

KDDIは2020年2月26日、テレコム分野のイノベーションを加速するため、Telecom Infra Project(以下、TIP)において「KDDIによる日本初となるTIP Community Lab設立」と「TIPプロジェクト内にバックボーンに関する新プロジェクトグループの創設」の取り組みを開始すると発表した。

TIP Community Labは、2020年春に東京都内に設立する予定だ。通信ネットワークを構成するアクセス、トランスポート、コアの各機能に用いるハードウェア、ソフトウェアの構成や仕様について、TIP参画企業がオープンに議論し、技術開発を低コストかつ効率的に進めるための開発・検証施設で、現在世界7カ国12カ所に開設されている。KDDIが設立するTIP Community Labは日本で初めての拠点となる。

また、TIP Community Labの開設にあわせてKDDI総合研究所と協力し、汎用技術を使って基地局を集約するトランスポート設備の検証に着手するという。

新プロジェクトグループの創設では、TIPのOpen Optical Packet Transport(OOPT)プロジェクト内に、新たにバックボーンネットワークに関するサブグループ「Disaggregated Open Routers(DOR)」を2020年春に創設する。KDDIが主導し、バックボーンネットワークに用いられるルーターなどの装置に関してホワイトボックス化に向けた技術開発を推進するとしている。


Open Optical Packet Transport(OOPT)内におけるサブグループ

TIPは、通信ネットワーク構築にかかるコストを削減するためのオープンな技術、デザインを開発し、通信インフラの高度化を後押しすることを目的として、Facebookらが中心となり2016年2月より活動を開始した。アクセス、トランスポート、コアサービスをはじめとしたネットワーク全般に関して各プロジェクトグループで取り組んでいる。


Telecom Infra Project概要

プロジェクトグループでは、企画、設計、試験、配備仕様のオープン化や、ホワイトボックス化などを推進しており、通信事業者や通信機器ベンダー、スタートアップを含む数百の企業や団体が参画している。

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