米国シスコが新たな年次調査報告書「Cisco Annual Internet Report」を発表した（日本法人シスコシステムズが2020年2月19日に発表）。固定ブロードバンド、Wi-Fi、モバイル（3G、4G、5G）ネットワークをすべて網羅し、インターネットユーザー数、デバイス、接続数の増加を定量的に予測。また、ネットワーク性能や関連するトレンドについても、今後5年間（2018～2023年）の予測を行っている。

同報告書によれば、2023年には世界のモバイル接続の10％以上が5G対応になるという。また、5Gの平均速度は575Mbpsとなり、平均的なモバイル接続の13倍高速になるとしている。

そのほか、主な内容は以下の通り。

1.2023年の世界のモバイルユーザー数およびインターネットユーザー数
全世界の人口の70％以上（57億人）がモバイル接続（2G、3G、4Gまたは5G）を利用。全世界の人口の66％（53億人）がインターネットユーザーとなる。

2.2023年の世界のデバイスおよび接続数の予測
2023年には1人あたりのネットワーク化されたデバイス/接続は3.6個となり、1世帯あたりの数は10個近くになる。さまざまなIoTアプリケーションに対応するマシン ツー マシン（M2M）接続が世界のデバイス/ 接続の約50％（147億）を占める。

3.2023年の世界のモバイル予測
すべてのネットワーク デバイスの45％がモバイル接続（3G以下、4G、5GもしくはLPWA [Low Power Wide Area]）、55%が有線もしくはWi-Fi接続される。また、2023年には世界のモバイル接続全体に占めるLPWAの割合が、2018年の2.5%から14.4%に拡大する。

4.2023年の世界のWi-Fi予測
世界のWi-Fiホットスポット総数は2018～2023年の間に4倍に増加し、2018年の1億6900万個が2023年には6億2800万個近くになる。Wi-Fi6対応ホットスポットは2020～2023年で13倍増加し、公共のWi-Fiホットスポット全体の11％を占めるようになる。

5.2023年の世界のネットワーク性能（モバイル、Wi-Fi、固定ブロードバンド）の予測
世界のモバイル接続の平均速度は、2018年の13Mbpsから2023年には44Mbpsになって、3倍以上向上する。Wi-Fi接続の平均速度は、2018年の30Mbpsから2023年には92Mbpsへ、固定ブロードバンドの平均速度は、2018年の46Mbpsから2023年には110Mbpsへそれぞれ向上する。

6.2018～2019年の世界のサイバーセキュリティのトレンド
世界のDDoS攻撃の頻度は39％増加し、ピーク時のDDoS攻撃の規模は63％拡大した。DDoS攻撃の平均規模は1Gbps（うち、1Gbps以上の規模の攻撃は23％）で、100～400Gbps規模の攻撃が776％増加した。