「日本の時間当たりの労働生産性は1970年以降、主要先進7カ国の中で最下位。OECD加盟35カ国内でも20位と低迷している。労働生産性、つまり競争力を高めるためには働き方改革は必須であり、そのためには『どこからでも働けるIT環境』の構築が欠かせない」
ネットモーションソフトウェア 日本支社長の高松篤史氏は、デジタルワークプレイスDayでの講演の冒頭、このように語った。
ネットモーションソフトウェア 日本支社長 高松篤史氏
ネットモーションは、2001年に米国で設立されたモバイル接続技術の専業ベンダーで、「VPNセッションが切れない」というユニークな技術を持っている。グローバルにビジネス展開をしており、米国に加え、日本、米国、カナダ、イギリス、オーストリアに拠点を設けている。
日本ではまだあまり聞き馴染みがないかもしれないが、本国、米国での事情は大きく異なる。「警察や消防機関の公共安全ネットワーク『FirstNet』における標準暗号化ソリューションとして採用されている」と高松氏。
顧客ロイヤルティの指標であるネットプロモータースコア(NPS)も高く、ソフトウェア業界の平均NPSスコアが33なのに対し、ネットモーションは91。「一度導入するとずっと使い続けるお客さまが非常に多い」と高松氏は話す。
高まるモバイルワークへの不満従来、企業のPC環境はデスクトップが多かったが、2016年にはモバイルPCが逆転。2020年には72.3%の人がモバイルワーカーになると言われている。
このようにモバイルワークが広まる一方で、不満も高まっている。「当社のソリューションは現在、115万台のモバイル端末で利用されているが、そのユーザーの多くが最も不満に思っているのが通信トラブル。無駄な時間が1日当たり22分間できている。これは年間にすると12営業日にあたる。それだけの時間の生産性が失われている」
通信トラブルはユーザーを悩ませるだけではない。サポートへの問い合わせも増えるため、IT部門の負担も増える。「ある調査会社によると、2014年にモバイルトラブル関連のサポートは全体の15%だったが、2018年には40%に増えた。さらに2020年には55%と、半分を超えるという予測がある」
モバイルワークが普及するに伴い、ユーザーとIT部門の双方でモバイル通信への不満が高まっている
では、こうしたモバイルワークの課題は、どのようにすれば解消できるのだろうか――。高松氏は続いて具体的な解決策を提示した。