NVIDIA CEOのジェンスン・ファン(Jensen Huang)氏は10月22日(日本時間)、ロサンゼルスで開催された「MWC2019 Los Angels」の基調講演で、新ソリューションの特徴と同社の戦略を説明した。発表された製品は2つあり、1つはエッジサーバー製品群「NVIDIA EGX Edge Super Computing Platform(EGX)」。もう1つは5G向けの仮想無線アクセスネットワーク(Virtual Radio Access Network : vRAN)用のソフトウェア開発キット(SDK)「Aerial」だ。
ファン氏は冒頭、私たちの生活を大きく変えた代表例としてiPhoneを挙げた。「iPhoneは最初のスマートフォンであり、ソフトウェアで定義されたスマートなカメラなど多くのアプリケーションを開発した」。そして「これからの時代はあらゆるサービスがクラウドに繋がり、スマートになっていく」。
NVIDIA CEOのジェンスン・ファン氏 |
また、マイクロソフトのクラウドサービス「Azure IoT Edge」などと連携し、様々なソリューションを提供する。ファン氏は「NVIDIAとマイクロソフトのプラットフォームは、顧客にエッジからクラウドまでのエンドツーエンドソリューションを提供する」と強調した。
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エッジサーバーにはKubernetesプラグインなども内蔵している |
導入事例として、ファン氏は米小売り大手のウォルマートで、ネットワークカメラやIoTセンサーの処理をエッジで処理していると説明。5000平方フィート(約4600㎡)の店内にEGXサーバーを配置し、1.6Tbpsのデータ処理を行っているという。ウォルマートは今後27カ国、1万1000店舗に同様のシステムを展開する予定だという。
MWC2019 Los Angelsで展示されていた小売り向けのソリューション。 説明員によると、ウォルマートで導入されているかは分からないが カメラから店内客の動線や人数、滞在時間、性別などを分析できる。 処理は店内のサーバーで完結できるという |
またEGXは今後、自動車大手のBMWによるビデオ解析による製品検査や、NTT東日本のデータセンターで、AIアプリケーションをエッジへ展開するために採用される予定だ。