ワイヤレスジャパン 2019／ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2019 基調講演レポートソニーのELTRES、その特徴と今後の戦略「2020年上期に全国エリア展開を目指す」

2019.05.31

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ワイヤレスジャパン 2019／ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2019の共同基調講演「ELTRES IoTネットワークの国内展開について」において、ソニーネットワークコミュニケーションズの永井直紀氏が講演。ソニー独自のLPWA「ELTRES」の特徴や今までの取り組みを振り返りながら、今後の国内展開戦略を説明した。

「通信距離が飛びぬけている」

ソニーネットワークコミュニケーションズ IoT事業部門事業推進1部 ELTRES IoTネットワークプロジェクトマネージャーの永井直紀氏はELTRESの特徴について、まずこのように紹介した。

ELTRESとはソニーが開発した独自のLPWA規格のこと。長らくプレサービスが展開されてきたが、2019年5月28日に、9月下旬から本格的にサービス展開すると発表した。講演ではELTRESの特徴や今までの取り組みを振り返りつつ、今後の戦略について語られた。

ソニーネットワークコミュニケーションズ IoT事業部門
事業推進1部 ELTRES IoTネットワーク
プロジェクトマネージャーの永井直紀氏

ELTRES IoTネットワーク 5つの強み

ELTRESにはまず、通信規格として3つの強みがある。1つめは、永井氏が説明したように長距離通信が可能であること。「見通し条件で100kｍ以上の伝送性能を持っている。我々にしかできない特徴だ」（永井氏）

2つめの特徴は高速移動体でも通信できることだ。永井氏は「時速100km以上の速度にも対応している」と語った。

3つめは低消費電力。これらの3つの特徴を持つことから、スペイン語で「3」を意味するTRESと、定冠詞のELを組み合わせてELTRESと命名している。

他のLPWAと比べると利用できるチャネルの範囲が非常に広いという

これらの特徴に加えて、永井氏はELTRESをIoTネットワークサービスとして利用する場合のメリットも2つ説明した。

1つめは通信が安定していること。「ノイズの多い都市部でも高感度で通信できる。我々としては他の通信規格より後発ということもあり、アンライセンスバンドで使われている周波数帯を分析した」（永井氏）。利用者が少ない周波数帯を分析して利用するため、通信が比較的混雑しないという。

2つめは時刻同期。「通信モジュール自体にGNSSが標準で入っている」と永井氏は解説。GPSの時刻情報を同期できるため、高精度に通信できるとした。