Amazon Web Services(AWS)のプレミアコンサルティングパートナーとして、様々な企業のクラウド導入やモバイル/ビッグデータを活用した価値創造を支援してきたクラスメソッド。クラウドが広がるにつれて同社の事業も成長しており、今では東京・秋葉原の複数のオフィスからなる本社地区に加え、全国8つの拠点でビジネスを展開している。
規模がまだ大きくない時期はオンプレミス環境でActive Directoryを運用していたが、拠点が増えるにつれて処理をまかないきれなくなってきた。そこでサーバーの老朽化を機にAmazon VPCに基幹系システムを集約してハブとし、各拠点に導入したヤマハのルータ「RTX1210」からVPN接続するスター型構成を採用した。
だが、この環境を運用していくうちに問題が発生するようになった。「拠点ルータの設定は、手の空いた人にセットアップを依頼していたが、エンジニアによって設定方法はバラバラで、Configファイルの書き方も違う。その結果、微妙にIPフィルタリングの内容がずれていたり、拠点ごとにネットワーク設定がずれてしまっていた」と、同社IT推進室室長の植木和樹氏は振り返る。
クラスメソッド IT推進室室長 植木和樹氏
ネットワークトラブルが発生したときも、アクセス許可を申請して拠点側のポートの設定を変更してからでなくてはメンテナンスできなかった。回線レベルで障害が発生するなど、リーチャビリティすらない場合には、拠点にいる誰かに「ルータのコンソールにシリアル接続してログを取ってほしい」と依頼することまであったという。
エンジニアが多く、ITスキルの高い社員が拠点側にもいるクラスメソッドならではの運用だが、全員がネットワークの専門家とは限らないため、状況を改善したいと考えていた。