アシックスとNTTは2018年8月23日、センサー付きウェアを活用した暑さ対策の共同実験を行うと発表した。

両社の技術を使って開発したセンサー付きウェアのプロトタイプを活用し、暑熱環境下の温熱的な人体への負荷をモニタリング・評価することで、暑さ対策に役立てる。

暑熱環境下の温熱的な人体への負荷については、熱中症の発生率と関係が強い「暑さ指数（WBGT）」が多く用いられているが、暑さ指数は地域別に公表されるため、必ずしも個人毎の負荷を反映したものではない。この共同実験では、1人ひとりの温熱的な人体への負荷を評価できる個人別のWBGTに関する算定アルゴリズムの開発などを行い、2020年夏までに新たな体調管理手法の確立を目指す。

暑さ対策の共同実験のイメージ

開発したセンサー付きウェアのプロトタイプは、ウェアの背中上部のセンシングデバイスによって、ウェア内の温度・湿度、日差しの強さを反映した日射熱温度を計測できる。また、ウェアには、NTTと東レが共同開発した機能素材「hitoe」が用いられており、個人別の身体の活動状況も把握できるという。取得したデータは、センシングデバイスに実装した無線モジュール経由で、ウェア着用者のスマートフォンに転送される。

将来的には温熱的な人体への負荷が高まった際に水分補給や休憩を促すアラート通知機能など、暑さ対策に役立つ体調管理ウェアとしての実用化を目指すとのことだ。

センサー付きウェアのプロトタイプとスマホアプリの画面