IDC Japanは2018年8月20日、国内コンバージドシステム市場予測を発表した。これによると、2017年のコンバージドシステム市場の支出額は対前年比22.9%増の521億8700万円だった。2018年は587億9900万円になると予測している。
IDCではコンバージドシステムのセグメントを、サーバーやネットワーク機器などを統合した「インテグレーテッドインフラストラクチャ」、データベースといったミドルウェアなどのソフトウェアパッケージも事前に統合した「インテグレーテッドプラットフォーム」、コンピュートおよびストレージの機能を高度に仮想化して提供する「ハイパーコンバージドシステム」の3つに分けて分析している。
これらセグメントのうち、特に成長率が高かったのがハイパーコンバージドシステムで、前年比89.8%増だった。ハイパーコンバージドシステムの支出額は157億9900万円となり、国内コンバージドシステム市場における構成比は30.3%になった。
今後も市場を牽引するのはハイパーコンバージドシステムだ。2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR)は20.6%で、2022年の支出額は402億3900万円になる見通し。その結果、2022年の国内コンバージドシステム市場におけるハイパーコンバージドシステムの構成比は50.8%に上昇すると予想している。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ シニアマーケットアナリストの宝出幸久氏は次のように分析している。
「ハイパーコンバージドシステムが今後の国内コンバージドシステム市場の成長を牽引することが鮮明となった。国内市場において、ハイパーコンバージドシステムが備える導入の迅速性や運用管理の容易性、そしてスモールスタートや柔軟な拡張性といったメリットへの理解が進んでいる。今後も仮想化環境の課題を解決するインフラストラクチャとして国内市場への浸透が進む見込みである。中長期的にはDX(デジタルトランスフォーメーション)に求められる拡張性や柔軟性の高いITインフラを実現するソリューションとしても普及が拡大すると予測する」
国内コンバージドシステム市場予測