西菱電機は2018年6月20日、LoRaWAN対応の環境センサーを用いた栽培環境の「見える化」の実証実験を昨年10月から今年3月まで実施したと発表した。
LoRaWAN対応環境センサー
これは、兵庫県伊丹市内の若手農家で構成される伊丹市農業青年研究会と実施したものだ。実験に参加した5名の農家のビニールハウスにLoRaWAN対応の環境センサーを設置。温度、湿度、気圧、照度、二酸化炭素濃度、土壌温度、土壌水分の7種類のデータをクラウドに集約することで、遠隔からのリアルタイムな栽培環境の監視と履歴情報のデータ化を可能にした。
これにより、温度をもとにした換気の実施や、土壌水分の推移をもとにした水やり回数の削減などの成果が得られたという。見える化には、西菱電機が商用化を進めているSeiryo Business PlatformのIoTサービスを用いた。
実証実験のシステム構成
なお、今回の実験は、伊丹市から委託を受けた「農業情報技術(IoT)活用モデル事業委託業務」に基づき、冬場に栽培している葉物野菜を対象に行われた。委託業務の期間終了後も、西菱電機と伊丹市農業青年研究会は実験を継続しており、現在は完熟トマトの栽培を対象に検証を進めているという。