ワイヤレスジャパン2018/ワイヤレスIoT EXPO 2018Sony’s LPWAの実証実験が全国各地で!中部電力やオートバックスなど

見通し100kmの長距離伝送などで注目を集めるソニー独自のLPWA。ソニーセミコンダクタソリューションズのブースでは、インフラ監視や高齢ドライバー見守り、気象センサーなど、全国各地で現在行われている実証実験の中身などが紹介されている。

数あるLPWAの中にあって、独自の存在感を発揮しているのが、見通し100km以上の長距離通信などを特徴とするソニー独自のLPWAだ(以下、Sony’s LPWA)。ワイヤレスジャパン2018/ワイヤレスIoT EXPO 2018のソニーセミコンダクタソリューションズのブースでは、商用化に向けて順調に実証実験などが進んでいる様子がうかがわれた。公表可能なプロジェクトだけでも、20の実証実験が全国各地で進んでいるという。

その一例が、中部電力による実証実験。同社の山上の通信局舎にSony’s LPWA受信局を設置し、性能評価を実施。見通し約103kmの長距離通信をはじめ、広域の通信エリアを確保できることが検証できたそうだ。中部電力では、Sony’s LPWAを活用した従業員・車両の移動情報の把握、山間部巡視者の見守りなどの実証実験も行っている。

中部電力のSony's LPWAの実証実験の概要
中部電力のSony’s LPWAの実証実験の概要。標高約700mの山上通信局舎にSony’s LPWA受信機を設置している

中部電力の担当者によれば、キャリアサービスなどと比べた、Sony’s LPWAのメリットは大きく3つあるという。1つはコスト、2つめは低消費電力、そして3つめがキャリアの電波が入らないラストワンマイルの確保だ。鉄塔やダムといった電力会社の重要設備がある山間部を容易に通信エリア化できる。

Sony’s LPWAの特徴は長距離伝送だけではない。都市部などにおける見通し外や、高速移動時の安定通信も特徴だという。ソニーセミコンダクタソリューションズの説明員によれば、他のLPWAで実証実験を行ったが、街中では数kmしか電波が届かず、Sony’s LPWAを試すケースが少なくないという。

こうした安定通信、高速移動通信の特徴も活かした実証実験の1つに、オートバックスが北九州市で実施している実証実験がある。北九州市内にSony’s LPWA受信局を1機設置し、高齢ドライバーの見守りなどの検証を行うものだ。

オートバックスのSony's LPWAの実証実験の概要
オートバックスのSony’s LPWAの実証実験の概要

このほか、ソニーセミコンダクタソリューションズのブースでは、QTnetや博報堂アイ・スタジオ、日本システムウエア、アイ・オー・データ機器などの実証実験が紹介されている。

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