「お客様である独の大手自動車メーカーから、こんなことを言われた。今や我々のネットワークへの投資は半分がエクストリームで半分がシスコシステムズ。エクストリームは、シスコに対抗できる唯一のベンダーになったねと」
そう語るのは、米エクストリーム ネットワークスで最高経営責任者(CEO)を務めるエド・マイヤコード氏だ。「シスコの代わりになる選択肢は我々しかいない」と同氏の鼻息は荒い。
こう聞くと、業界関係者の中には奇異に感じる人もいるかもしれない。
日本のネットワーク業界でエクストリームが存在感を発揮していたのは10年ほど前のことで、近年はほぼ“撤退”状態だったからだ。グローバルでみても、2013年時点での同社のシェアは13位に過ぎない(エンタープライズ向け、Dell’Oro調べ)。
だが、そこからわずか4年でエクストリームのポジションは急上昇した(図表)。2014年に、アクセス制御技術に強みを持つエンテラシス・ネットワークスを、2016年にはゼブラ・テクノロジーズの無線LAN事業を買収。そして2017年、アバイアのネットワーク部門とブロケードコミュニケーションズシステムズのイーサネット部門の統合も果たした。これにより、「エンタープライズ向けネットワークにおける当社のシェアはシスコ、HPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズに次ぐ3位」へと躍進したという。
図表 エンタープライズ向けネットワークの市場シェア(Dell’Oro調べ)
買収攻勢によって製品ポートフォリオも大きく広がっている。企業ネットワークのエッジスイッチや無線LANから、ブロケードが得意とするデータセンターネットワークまで、エンドツーエンドで製品・ソリューションの提供が可能だ。