ビジネスの明日を動かすICTトレンド農業ICT(AgTech)が“日本の農業”を奇跡の復活へと導く

国際競争力を失った日本の農業――。今後は、少子高齢化による農業人口と国内需要の減少も深刻化し、日本の農業を取り巻く状況は決して明るくありません。ただその一方で、日本の農業を復活させるため、IoTやAI、ロボットなどを活用した「農業ICT」(=AgTech)の取り組みが活発化しています。今回は、我が国農業の現状を確認したうえで、代表的なAgTechの取り組みを紹介します。

日本のAgTech政策まず、国の政策を2つご紹介します。

「スマート農業の実現に向けた研究会」

2013年に農林水産省が経済界などの協力を得て立ち上げた研究会です。

ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業である「スマート農業」を実現するため、スマート農業の将来像と実現に向けたロードマップやこれら技術の農業現場への速やかな導入に必要な方策を検討するとしています。

2014年には「中間とりまとめ」として、ロボット技術やICTの導入によりもたらされる新たな農業の姿として、5つの方向性に整理したものを発表しました。

図表2 スマート農業の5つの方向性
図表2 スマート農業の5つの方向性
出典:農林水産省「スマート農業の実現に向けた研究会」
(http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/g_smart_nougyo/pdf/cmatome.pdf)

「農業データ連携基盤」

昨年、政府がまとめた「未来投資戦略2017」では、農林水産分野において「農業データ連携基盤」を構築することを計画しています(2019年4月をめどに開始予定)。

生産者/メーカー/ベンダーの壁を越えて、データの連携・共有・提供を行うことにより、農業の担い手が生産性の向上や経営の改善に挑戦できる環境をつくることを目的としています。

図表3-1 農業データ連携基盤の概要
図表3-1 農業データ連携基盤の概要

図表3-2 農業データ連携基盤の構造
図表3-2 農業データ連携基盤の構造

出典:農業データ連携基盤協議会
(https://wagri.net/pdf/20170822_waguriseminar.pdf)

西俊明(にし・としあき)

慶應義塾大学文学部卒業。合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション代表社員/CEO。富士通株式会社で17年間にわたり、営業、マーケティング業務に従事。2008年、経済産業大臣登録・中小企業診断士として独立し、2010年、合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション設立。専門分野は営業・マーケティング・IT。Webマーケティングやソーシャルメディア活用のテーマを中心に、8年間で200社以上の企業や個人事業主のマーケティングのコンサルを実施、180回以上のセミナー登壇実績をもつ。著書に『あたらしいWebマーケティングの教科書』『ITパスポート最速合格術』『高度試験共通試験によくでる午前問題集』(技術評論社)、『絶対合格 応用情報技術者』(マイナビ)、『やさしい基本情報技術者問題集』『やさしい応用情報技術者問題集』(ソフトバンククリエイティブ)、『問題解決に役立つ生産管理』『問題解決に役だつ品質管理』(誠文堂新光社)などがある。

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