「2018年の中盤から後半にかけて、11ax対応のアクセスポイントが大量に出てくるだろう」
そう語るのは、日本ヒューレット・パッカードのエンタープライズグループ事業統括 Aruba事業統括本部 エンタープライズ技術部 コンサルティングシステムエンジニアの黒川孝治氏だ。
「11ax」とは、現在策定が進んでいる次世代規格「IEEE802.11ax」のこと。規格の承認は2019年になる見通しだが、無線LANの業界では規格承認前に“ドラフト版対応”の製品が市場投入されるのが常だ。
チップセットメーカーはすでに今年前半から11ax対応チップの提供を開始しており、コンシューマー向けでは台湾ASUSTeK Computerがいち早く8月末に、11ax対応の無線LANルーター「RT-AX88U」を発表している。ASUSによれば、5GHz帯で4.8Gbps、2.4GHz帯で1.14Gbps、合計で5.95Gbpsの最大転送速度を実現しているという。
ASUSTeK Computerが8月30日に発表した、11ax対応の無線LANルーター「RT-AX88U」
企業向け製品については、11ac Wave2の普及機がベンダー各社からようやく出揃った段階でもあり、現時点で11ax対応のロードマップを明確にしているところはない。
ただし、黒川氏によれば、「来年には11ac Wave2対応製品の“廉価版”が出尽くす。まずは北米からになるが、2018年後半(にリリースされる新製品)は、ax一色になるだろう」という。当然、Arubaでも準備を進めているところだ。