「TD-LTEとWiMAXは共存する」――ファーウェイがLTE/EPCについて説明会

華為技術日本(ファーウェイ・テクノロジーズ・ジャパン)がLTEに関する記者説明会を開催。LTE市場の現状と今後、そしてファーウェイのLTEソリューションの特徴について説明した。

華為技術日本(ファーウェイ・テクノロジーズ・ジャパン)は2010年9月6日、LTEに関する記者説明会を開催した。説明を行ったのはファーウェイ本社でグローバル・キー・アカウント・マーケティング部チーフ・アーキテクトを務めるレネイ・ヴェヴェガート氏。なお、EPC(Evolved Packet Core)とはLTE向けコアネットワークのことで、SAE(System Architecture Evolution)とも呼ばれる。

ファーウェイ
ファーウェイ・テクノロジーズ グローバル・キー・アカウント・マーケティング部チーフ・アーキテクトのレネイ・ヴェヴェガート氏(右)と、ファーウェイ・テクノロジーズ・ジャパン ワイヤレス・マーケティング部マーケティング マネージャーの鹿島毅氏

ヴェヴェガート氏はまずLTE市場の現状について「世界トップ50の携帯電話事業者の60%以上が2012年までのLTE展開を決定している」と語ったうえで、来年2011年からLTEの導入は加速していくという見方を示した。2014年までにLTE加入者の数は1億2000万~1億4000万人になるという。さらにTD-LTEについても「FDD LTEに次第に追い付いてきている状況」で、順調に標準化作業やトライアルが進んでいるとのことだ。

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TD-LTEは、次第にFDD LTEに追い付いてきている状況だという

TD-LTEについては米クリアワイヤやロシアのYotaなどWiMAX事業者も関心を示しており、今後、TD-LTEがWiMAXを吸収するといった観測も賑やかになってきている。こうした議論に対してヴェヴェガート氏は、「確かにTD-LTEとWiMAXは技術的に似ているが、マーケットが違う」とした。クリアワイヤやUQコミュニケーションズなどは例外だが、WiMAXは新興国の小規模事業者が中心。一方、LTEは先進国の大規模事業者がほとんどである。このように両者はマーケットが異なっているため、「その後は分からないが、数年はTD-LTEとWiMAXは共存するだろう」。

ヴェヴェガート氏によれば、ファーウェイはすでにノルウェーのテリアソネラとテレノール、スウェーデンのNet4Mobility、独ボーダフォンなど14件の商用LTEネットワークの契約を獲得しているという。トライアルの案件については60件以上だ。こうした高い実績の背景の1つとしてあるのは、LTE/EPCへの持続的な投資とのこと。ファーウェイはLTE専用のR&Dセンターを全世界7カ所に有し、LTE専門のエンジニアは2500人に及ぶという。また、LTE/EPCの必須特許シェアはインフラベンダーとしてはNo.1だそうだ。さらにヴェヴェガート氏はファーウェイのLTE/EPCソリューションの特徴として、2G~4G、さらにはFDDにもTDDにも対応する共通プラットフォームであること、2G/3G/4Gを1つのコアネットワークに集約できることなどを挙げた。

ファーウェイ・ジャパン
世界初のLTE商用サービスを始めたテリアソネラのほか、14件の商用契約をファーウェイは獲得しているという

LTEの次の規格であるLTE-Advancedに積極的に取り組んでいることもヴェヴェガート氏はアピール。特に、CoMP、Carrier Aggregation、Relayの3つの技術に注力しているという。CoMPはセル間で無線リソースを調整し、干渉を減少させる技術。Carrier Aggregationは、同一帯域や異なる帯域の搬送波を最大100MHz幅まで束ねる技術。そしてRelayは、有線バックホールが届かないスポットのバックホールとして使うための技術だという。

ファーウェイ・ジャパン
LTE-Advancedにも注力するファーウェイ

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