米インテルは2010年8月30日(米国時間)、独インフィニオンテクノロジーズの無線ソリューション事業(WLS)を約14億米ドルの現金で取得すると発表した。今回の買収により、従来のWi-FiとWiMAXだけでなく、2G/3GおよびLTEもインテルの製品ポートフォリオに加わることになる。
WLSの年間売上高は9億1700万ユーロで、スマートフォンや超低コストのエントリー向け携帯電話用の無線チップおよびプラットフォームに強い。インテルでは、WLSを独立した事業として運営する方針。
インテルのポール・オッテリーニ社長兼CEOはインフィニオンの買収について、「無線ソリューションに対する世界規模の需要は、驚くべき速度で拡大を続けている。インフィ二オンのWLS事業の買収により、インテルのコンピューティング戦略における第二の柱であるインターネットへの接続性を強化し、Wi-Fi、3GからWiMAX、LTEまで広範な無線機能に対応する製品ポートフォリオを提供することが可能になる。より多くの機器がコンピューター化しインターネットに接続する中、インテルは、ノートブックPC、および携帯端末、またその他全てのコンピューティング領域における成長機会でのインテルの優位性を確実にする」とコメントしている。
一方、インフィニオンのピーター・バウアーCEOは「WLSの売却はインフィニオンの価値を強化するための戦略的決定だ。我々は今、主要なセグメントであるオートモーティブ(ATV)、インダストリアル・マルチマーケット(IMM)、チップカード・セキュリティ(CCS)の力強い成長に向けて、リソースを十分集約させることが可能になった。その結果、全てのインフィニオンのお客様、従業員、株主に素晴らしい見通しをもたらす。我々は今回の取引から大きな恩恵を受ける」と述べている。