<特集>実験で分かった!LPWAのホントの実力(第2回)LPWAの電波はどれくらい飛ぶ? – マンホールの中から1km強

LPWAはその名のとおり、省電力とともに「広域性」が最大のウリだ。各社の実証実験の多くは、その広域性に注目したもの。LoRaWANとSIGFOXの電波は実際にどれくらい遠くまで飛んでいるのだろうか。

IoT向け無線ネットワーク「LPWA」は、1台のゲートウェイで遠くまでカバーできる広域性が大きな魅力だ。LoRaWANとSIGFOXは、いずれもゲートウェイから数十km離れたエンドデバイスのデータを受信できるともいわれる。

「欧州では、環境によっては30km以上飛ぶケースもあると聞いている」と語るのは、オランダのKPN、スイスコム、ベルギーのプロキスマスなど、欧州の大手キャリアが採用しているアクティリティ社のLoRaWAN製品群を提供しているマクニカネットワークス LPWA事業推進室 室長の白土誠氏だ。

現在、国内でも数多くの日本企業がLoRaWANの実証実験を行っている。それらの実験では、実際どれくらいの距離まで通信ができているのだろうか。

LoRaは見通し10km超「障害物のない状況であれば10kmを超えても通信できた」と実験結果について明かすのは、スカイディスク 代表取締役CEOの橋本司氏だ。同社は、本業であるAIソリューションの足回りとしてLoRaWANのエンドデバイスやゲートウェイ、ネットワークサーバーを開発しており、複数の企業とともに様々なロケーションでLoRaWANの実証実験を行っている。

また、NTTドコモ 第一法人営業部 法人サービス第二担当部長の瀧上昇平氏は、「横須賀市三浦海岸の見通しが良い環境では、ゲートウェイから4~5km離れたデバイスのデータを問題なく取得できることが確認できた」と語る。同社は2017年11月から、R&DセンターでLoRaWANのネットワーク設計や電波特性について研究してきた。

LoRaWANは、見通しさえよければ数km単位で電波が飛ぶことは確実だ。

月刊テレコミュニケーション2017年5月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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