シスコが中小向け「Cisco Start」に新製品を追加 ― 月1万円の働き方改革パッケージも

シスコシステムズは2017年3月28日、中小企業向けブランド「Cisco Startシリーズ」の新製品を発表した。無線LANアクセスポイントCisco Aironetの低価格版や、月額1万800円から導入できる「働き方改革パッケージ」などを追加。中小企業向けの新たなリースサービスも始める。

シスコシステムズの中小企業向け製品群「Cisco Startシリーズ」が好調だ。

Cisco Startはシスコ日本法人が2015年9月に立ち上げた国内独自ブランドで、「大企業向け」「高い」といった同社製品のイメージを払拭するため、日本法人が製品企画・開発から手掛けたものだ(参考:シスコが中小企業向け新ブランド「Cisco Start」を立ち上げ)。専務執行役員・パートナー事業統括の高橋慎介氏によれば売上は順調に伸びており、2016年9月に追加投入した1万円台から購入できるエントリーモデル等も売上増に貢献。「2017年度は半年で昨年度の売り上げを達成した。通年では昨年の3倍になるのではないか」という。


専務執行役員・パートナー事業統括の高橋慎介氏

新ブランドの立ち上げ当初は、ローエンド向けの低価格製品を市場投入することで既存製品の販売が縮小する、いわゆるカニバリゼーションも懸念されたが、「直近の四半期は日本市場全体でネットワーク製品が二桁成長している」とし、狙い通りに、これまでリーチできていなかった新市場の開拓につながっていることを強調した。


Cisco Startシリーズの売上比率
2016年9月に発売したエントリーモデルが好調に売れているという

日本独自ブランドから“格上げ”
それを端的に示すのが、販売パートナー数の増加だ。Cisco Startの販売をスタートした時点で、同製品を取り扱う販売パートナーは60社だったが、1年後の2016年9月には1757社に増加。現在、その数は「テスト的な販売に留まっているパートナーも含めると4100社」にまで増えているという。

このうち「約900社は定常的にStartシリーズを主力商品として扱っている」。ルーター/スイッチ、無線LANなど幅広い製品ラインナップを揃えたことに加え、パートナーの販売をサポートする施策も充実させたことが中小企業市場の開拓につながったようだ。

この順調な立ち上がりを受けて、日本初のCisco Startは、米シスコシステムズのコーポレートブランドに“格上げ”された。ブランドロゴも刷新され、今後はアジア地域への展開も始める。また、これを機に様々なキャンペーンも実施する予定で「東京オリンピックのスポンサーになったこともあり、シスコの認知度を上げていきたい」と高橋氏は意気込んだ。


Cisco Startの新ロゴ

11ac wave2対応のAironetが4万円台から
2017年4月以降、複数の新製品・サービスを投入してラインナップも拡充する。

1つが、無線LANアクセスポイント「Aironet 1815シリーズ」だ。11ac wave2に対応し、最大25台を集中管理できるコントローラ機能を内蔵しながら「4万円台から」(市場想定価格、保守別)の低価格で販売する。

モデルは4種類を用意しており、「スタンダードモデル」「テレワークモデル」「壁掛けモデル」「高出力モデル」から用途に応じて選択が可能だ。いずれも日本語で簡単に設定が行えるセットアップウィザードを装備している。


シスコの主力製品の1つである「Aironet」がStartシリーズに加わる

2つめの新製品は、Cisco Startシリーズで初となるサーバー「Cisco UCS C シリーズ」だ。データセンター向けのCisco UCSサーバーを中小企業向けに仕立てたもので、「40GBEにも対応する高い拡張性」(高橋氏)が特徴。市場想定価格は25万円からとなっており、同氏によれば「かなり無理をして価格を下げた」という。

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