NTTドコモや楽天など千葉市でドローンの宅配実験に成功――2018~19年の実用化を目指す

楽天は幕張新都心におけるドローン物流構想として、東京湾岸部にある物流センター「楽天フルフィルメントセンター」から幕張新都心の住宅街までの約10kmをドローンが飛行することを目指している。

同社副社長執行役員の平井康文氏は「上空150mまでの空域は人類未開拓であり、そこに最善の技術がドローンであると確信している。先進技術を活用し、ドローンによる宅配サービスの商用化を推進していきたい」と抱負を語った。

実証実験で使われたのは、楽天の配送用ドローン「天空」の新型機で、突然の雨にも耐えうるように防滴性を持たせるなど、機能面で向上を図っている。同機のベースとなったACSLのプラットフォーム機体「PF1」は、完全自律制御による長距離飛行を可能とするほか、緊急時にはパラシュートにより落下スピードを急減速させるなど従来より安全性を強化しているという。

また、ドコモはLTEネットワークを使ったセルラードローンを活用した「ドコモ・ドローンプロジェクト」を推進しており、実証実験を通じて、上空150mまでの区域における電波状況や既存の携帯電話ネットワークに与える影響を検証する。現段階ではLTEネットワークを使用するが、5G(第5世代移動通信)では低遅延や伝送速度向上といった特徴から、利便性の向上が期待できるという。

千葉市の熊谷市長は今回の実証実験について「実際にビジネスとして実現した場合、どのようなプロセスを経るのかがわかり、実用化を視野に入れた実証実験として意義があった」と評価した上で、「2018年や2019年には、市民がスマホのアプリで注文し、荷物を受け取れるような社会を作っていきたい」と述べた。

実験を行うにあたり、約20の団体と交渉して許諾を得なければならなかったそうで、実用化には規制緩和が大きな課題となる。

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