ソフトバンクは2016年9月14日、1対多のマルチキャスト通信が可能なLTE-Broadcastにより、映像をリアルタイム配信するサービスの実証実験を行うと発表した。技術的な検証のほか、臨場感あふれる映像によるサービス満足度等も確認するという。
実験は、9月17日~19日に開催される福岡ソフトバンクホークス対オリックス・バッファローズ戦で実施する。実験用に5台のカメラを設置して試合模様を撮影し、その映像を実験用のLTE基地局(1局)から3塁側スタンドの一部エリアにLTE-Broadcastで一斉配信する。
1日あたり100名の協力者に、専用アプリケーションを搭載した実験用スマートフォンを貸与。観戦中は映像を視聴してもらい、試合終了後にアプリの使用感や映像の遅延状況、品質レベルなどをアンケートで集計する。
最近はSNSや動画サービスでコンテンツが大容量化し、ネットワークトラフィックが増加している。そうした中、1対1のユニキャスト通信を利用した映像データ視聴では大量のトラフィックが発生し、サービスの提供に影響が出る恐れがあるという。
今回、実証実験を行うLTE-Broadcastは、1対多のブロードキャスト通信が可能なため、トラフィックを減らし、ネットワークの帯域消費を少なくできる。多くの人が集まるスタジアムやコンサート会場など、大容量の映像データを閲覧する場合でも、輻輳の影響を受けにくくなるそうだ。
LTE-Broadcast 実証実験システム構成 |