調査会社のJ.D. パワー アジア・パシフィックは2016年8月24日、「2016年日本法人向け携帯電話・PHSサービス顧客満足度調査」の結果を発表した。
同調査は、従業員50名以上の企業の各種電話サービスの管理・意思決定関与者を対象に行われ、2449社の大企業・中堅企業と、1869社の中小企業から回答を得ている。
これによると、大企業・中堅企業市場において、総合満足度が最も高かったのはKDDIだった。以下、第2位はNTTドコモ、第3位はソフトバンク、第4位はワイモバイルとなっている。一方、中小企業市場については、NTTドコモが第1位を獲得し、以下、KDDI、ソフトバンク、ワイモバイルの順だった。
なお、同調査では「コスト」「営業対応」「電話機・サービス」「トラブル対応」の4つのファクターを設定して評価を聴取しているが、「内線ソリューション」や「メーラー、スケジューラー等の共有・連携・管理」、「ビジネス推進上のシステムとの連携」といった何らかのモバイルソリューションを利用している企業の満足度が高くなる傾向が見られたという。
また、コンシューマー市場でシェアが拡大しているMVNOについては、法人市場ではほとんど採用が進んでいないことも今回の調査で分かった。MVNO利用率は、大企業・中堅企業市場で0.3%、中堅企業市場で0.2%に留まっている。
法人市場では、携帯電話・PHS事業者の選定時に特にコストが重視されている。しかしその一方で、「通信品質・エリアがよい」、「信頼できる会社/有名な会社なので」、「営業担当者の提案がよかった」、「サポート体制が充実している」といった理由も併せて挙げられており、こうした点に関する不安感や弱さが、MVNOが法人市場で普及が進まない要因だとJ.D. パワーは推察している。