社内コミュニケーションの活性化に、Bluetooth Low Energy(BLE)対応ビーコンは役に立つのか――。リクルートテクノロジーズは2016年8月23日、同社の従業員を対象に行った実証実験の結果を発表した。
この実験は、リクルートテクノロジーズの社内で今年4月から6月の3カ月にわたって行われたもの。同社の従業員数は、リクルートグループ分社化当時の150名から3年間で約3.6倍の539名へと急増しており、社内コミュニケーション活性化策の一環として実施された。
独自開発したビーコン(左)と携帯イメージ(右) |
実験の概要は次の通りだ。リクルートテクノロジーズは従業員539名に、独自開発したビーコンとスマートフォン用アプリを配布。アプリを起動した状態で約3m内にビーコンを携帯した人が近付くと、その人のプロフィール情報が表示される。これにより、初対面や接点の薄い従業員同士のコミュニケーションを円滑化することを狙っている。
独自開発したスマートフォンアプリの画面イメージ |
3カ月の実証実験後に行われた従業員アンケートでは、「実際に社内コミュニケーションが円滑になったと感じたか?」との質問に対し、「円滑になった」と回答したのは全体の7%にとどまった。
その理由としては、「知らないメンバーと会議すること自体が少なかった」「利用したとしても最初の1回のみとなってしまった」といった利用シーンの少なさを指摘する声に加えて、「知らない人がいても、勝手にスマートフォンで従業員情報を見るという行為が何となく後ろめたい」「あまり認識されたくない場面でビーコンの電源を切るなどしていると、通常時に電源を入れ忘れてしまった」といった心理的抵抗感も挙げるコメントもあったという。