Wi-Fi Allianceが新規格「11ac wave2」の認証プログラムを開始

無線LANの普及促進を目的に製品認証や相互接続性試験等を行う業界団体Wi-Fi Allianceは2016年7月27日、無線LAN製品の認証プログラム「Wi-Fi CERTFIED ac」の拡張について説明した。6月に、IEEE802.11acの第2世代「Wave2」の機能を搭載した製品の認証プログラムを開始している。


Wi-Fi CERTIFIED acの新機能について説明するケビン・ロビンソン氏
(Wi-Fi Alliance マーケティング担当バイスプレジデント)

Wi-Fi Allianceでマーケティング担当バイスプレジデントを務めるケビン・ロビンソン氏は、ネットワークに接続される“コネクティッドデバイス”の急増と、動画をはじめとするリッチコンテンツの利用増を背景としてWi-Fiに対するニーズが高まっているとした上で、Wave 2によって「Wi-Fiのパフォーマンスがさらに一段、高みに引き上げられていく」と話した。

Wave 2の新機能は主に次の3つだ。

1つは、複数のデバイスに対して同時にデータ送信ができるようになる「マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)」。従来の方式であるシングルユーザーMIMOでは、複数デバイスにデータを送信する場合でも通信は常に1対1で行われ、1台ずつ順番に送信を行うため、端末数が多い環境では速度が低下する。MU-MIMOはこの課題を解決する技術であり、端末が混みあう高密度環境における実効速度の改善が期待される。

2つめは利用できるチャネル幅の拡大だ。複数のチャネルを束ねて周波数幅を広げることによって通信速度を高速化する「チャネルボンディング」において、利用できるチャネル幅が従来の80MHzから160MHzに広がる。「通信速度が倍増する」(ロビンソン氏)わけだ。

3つめに、空間ストリーム数も従来の3から4に増える。これも高速化につながると同時に、最大4つのデバイスに空間ストリームを使い分けることも可能になる。


Wave 2の新機能と効果

このほか、新たな認証プログラムでは「追加される5GHz帯チャネルのサポートも進める」とロビンソン氏は話した。周波数帯がより効率的に活用できるようになり、「隣接するチャネル同士の干渉も減る」などWi-Fiの利便性向上につながるという。

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