NTTドコモは2016年6月16日、株主総会と取締役会を経て、吉澤和弘副社長の社長就任を正式決定した。
NTTドコモ代表取締役社長に就任した吉澤和弘氏 |
同日行われた就任会見の冒頭、吉澤新社長は「ドコモは携帯電話だけでなく、IoTやICT、ビッグデータ、AIなどでも大きなポテンシャルを持っている事業者。大役を担うことに身が引き締まる思いと同時に、ふつふつと闘志もわいている」と意気込みを語った。
今後の事業展開については、「さらなる価値をお客様、世の中に提供し続けることがドコモの使命だと考えている」と述べるとともに、その実現のためには、デバイスやネットワーク、ソフトウェアなどモバイルICTの高度化と新たな発想、スピードが必要との考えを示した。
その上で、「一社だけでできることは少なくなってきた。ドコモ社内だけでなく、パートナーのアイデアを取り入れることで、新たな発想を生み出していきたい。これまで以上にスピード感を持って全力で取り組んでいきたい」と強調した。
具体的な取り組みとして、クラウド人工知能を活用した「生活に溶け込むパーソナルエージェント」の研究開発を進めており、今後は画像認識技術を持つ企業などと組むことを検討していく。また、自動運転などが2020年を目途に開発が進んでいることから、2020年を1つのターゲットとして実用化を目指すという。
ドコモをどういう会社にしたいかについては、①パートナーからさまざまアイデアを受け入れ、イノベーションにつなげることができるオープンな会社、②社員一人ひとりが活き活きと仕事ができる楽しい会社、③お客様サービスの向上と企業の持続的な発展を両立できる会社の3点を挙げた。
このほか、料金プランのさらなる値下げについては、「料金は事業運営の肝になる部分。顧客満足度の向上と企業の財務の兼ね合いもあるが、お客様の声を聞きながら見直していきたい。時期の断言はできないが、お客様のメリットになるようなお得な料金を検討していきたい」と述べた。