視聴者に最適なCMを自動挿入
これらのセッションに先駆けて行われたソリューション&ビジネストラックでは、サービスプラットフォームへのもう1つのHPEの取り組みとして、メディア&エンターテイメント担当ワールドワイド・ゼネラル・マネージャーのラシミ・ミスラ氏により、IPネットワークによる映像サービスに必要となるさまざまな機能をaaSとして提供する「メディアクラウド」が紹介された。
コミュニケーションズ&メディア ソリューションズ
メディア&エンターテイメント担当ワールドワイド・ゼネラル・マネージャー ラシミ・ミスラ氏
このソリューションは、コンテンツ管理や、課金、CDN(コンテツ配信網)、ヘッドエンド(配信装置)、クラウドDVR(録画装置)などのモジュールで構成されており、これらを活用することで通信事業者は自ら設備を構築しなくても、異なるデバイス間でシームレスな映像サービスを行うマルチスクリーンビューなど高度な映像サービスを提供することができる。
特筆されるのがこれらのモジュールはNFV環境で構築されており、低コストで高い俊敏性を実現している点。これにより通信事業者はWeb上の簡単な操作で必要な機能や帯域を確保してサービスを提供することができるという。
もう1つメディアクラウドの大きな特徴といえるのが、映像サービスの収益化を強く意識した機能の作りこみがなされていることだ。ミスラ氏は「アナリティクス機能の活用により、視聴者の現在位置や好みなどを反映して最も効果的なCMを挿入するなどの運用が可能であることが大きなセールスポイントになる」と説明する。
ミスラ氏は、日本市場に対して「今後マルチスクリーンビューなどの分野が急速に伸びていくのではないか。4k/8k放送や、オリンピックにあわせて計画されている5Gの展開などに非常に期待している」と述べた。
この他、エグゼグティブセッションでは、テレコミュニケーションインフラストラクチャー ダイレクターのクラウス・ペデルセン氏が、HPEの提供しているサーバーなどのインフラがどのように通信分野のニーズに応えていくか、NFVやエッジコンピューティングなどの新たな動きを中心に解説した。
ソリューション&ビジネストラックでは、IoTプラットフォーム、eSIM管理、無線LANソリューション、リアルタイムデータ分析の各分野ソリューションが紹介された。
さらにHPEが構築を手がけた欧州の大手通信事業者スイスコムによる中小企業向けの仮想化CPE(顧客構内設備)のアジャイル手法を用いたサービス構築事例がOSS サービスオーケストレーション リードのロルフ・エバーハード氏によって報告され、来場者の強い関心を集めた。