「TDD版4G」がこれからの主役――5Gの中核技術「Massive MIMO」も前倒しで実用化へ

6月から利用が始まる3.5GHz帯には、日本の携帯電話向け周波数帯では初めて「TDD版4G」が導入される。TDD版4Gの特性を活用したソリューションの展開も加速してきた。

2014年12月に携帯3社に新たに割り当てられた3.5GHz帯の運用が今年スタートする。先陣を切るのが、NTTドコモ。6月からこの帯域を活用して下り最大370Mbpsの4Gサービスを提供する計画だ。KDDIとソフトバンクも2016年中にサービスを開始するものと見られている。

今回利用が始まる3.5GHz帯には、他の携帯電話用周波数帯とは異なる特徴がある。

携帯電話で広く用いられているFDD(Frequency Division Duplex)ではなく、2.5GHz帯で運用されているAXGPやWiMAX2.1(WiMAX2+)といったBWAシステムと同じ、TDD(Time Division Duplex)を用いたLTE-Advanced(4G)で運用する形となったことだ。「TDD版4G」の導入は日本では初となる。

TDDは、時分割により1本の電波(搬送波)を使って「上り」(端末の送信側)と「下り」(同受信側)の通信を可能にする技術。上りと下りにそれぞれ別の搬送波を使うFDDと比べ、データトラフィックが多く発生する「下り」側に、より多くの帯域リソースを割り振り、効率的なデータ通信が行える。

今回導入されるTDD版4Gでは上下比率を1:3とすることにより、20MHz幅の搬送波1本で下り最大110Mbpsの通信速度を実現する。上下2本の20MHz幅の搬送波を用いて下り最大150Mbpsの通信を行う「FDD版4G」に比べ、利用帯域幅当たりの下り伝送能力は約1.5倍となる。

ドコモに割り当てられている3.5GHz帯の帯域は40MHz幅。ドコモはここでTDD版4Gの20MHz幅の搬送波を2波運用し(110Mbps×2)、これらに上下20MHz幅で運用されている1.7GHz帯のFDD版4G(150Mbps)も組み合わせた3波キャリアアグリゲーションによって、下り370Mbpsの最大通信速度を実現する。

月刊テレコミュニケーション2016年5月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります

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