パブリッククラウドの普及が進むなか、パブリッククラウド接続用のWANサービスも急成長していることがIDC Japanの調査で分かった。
IDC Japanの2016年3月3日の発表によると、パブリッククラウド接続用途のWANサービスの市場規模は、2015年に98億円だった。前年比成長率は15.5%であり、「国内WANサービス市場全体の2015年の市場規模が7031億円、前年比成長率マイナス0.1%であることを考えると、小規模ながらも急成長しているセグメントと言える」としている。
また、IDC Japanは今回、パブリッククラウドやデータセンター間の接続にも多く利用されるイーサネット専用線市場のシェアについても発表している。1位と2位はNTTコミュニケーションズ、KDDIという大手通信事業者が獲得しているものの、シェア12.1%のColtテクノロジーサービス、同10.8%のアルテリア・ネットワークス、同5.4%のTOKAIコミュニケーションズと、早くからパブリッククラウド接続用のWANサービスを提供してきた中堅通信事業者の健闘が目立つ結果となっている。
国内イーサネット専用線サービス市場 事業者別 売上額シェア: 2015年 |
「パブリッククラウドなどのサービス利用の拡大に伴いWANサービス市場の構造変化が始まっている。通信事業者は、急成長しているサービスプロバイダーの迅速な帯域増強ニーズを支援するなど、サービスプロバイダーへのエンゲージメントを強化すべきである。また企業向けにはパブリッククラウドへのオンデマンド接続などWANサービスの高度化を図るべきである」とIDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの小野陽子氏は述べている。