LINE以上、UC未満の“使える”ビジネスチャットの選び方(後編)失敗しない「ビジネスチャット」の選び方

LINEに代表されるコンシューマー向けチャットを業務で使うのは非常にリスキー。そこで導入企業が増えているのが、企業向けの管理・セキュリティ機能などを備えたビジネスチャットだ。しかし、ビジネスチャットの数は非常に多く、どれを選べばいいのか迷いどころ。後編では、ビジネスチャット選びのポイントを整理する。

管理・セキュリティ機能のポイントとは?コンシューマー向けチャットではなく、ビジネスチャットを利用する最大の意義は、その管理・セキュリティ機能にある。

ビジネスチャットを名乗る製品・サービスであれば、管理者側でのユーザーの一元管理機能はどれも備えているが、管理・制御できる範囲には違いがある。そこで自社に必要な機能を備えているかどうか確認しよう。

例えば、ユーザー/組織単位で、利用できる機能やコンタクト先を制御できるかどうか。「正社員以外のファイル添付は禁止したい」「A部門とB部門の従業員がチャットをするのは禁止したい」といった要望に応えるための機能だ。

セキュリティについては、IPアドレスやデバイス認証によるアクセス制限機能、SSLなどによるメッセージの暗号化などがニーズの高い機能である。

TopicRoom
TopicRoomのセキュリティ機能(出典:NTTソフトウェア資料)

さらに、コンプライアンス対応に役立つのが、チャットログのエクスポート機能。ビジネスチャットを導入すると、社内コミュニケーションの中心がメールからチャットにシフトする。ログのエクスポート機能がないと、内部監査の必要性が生じたときに困ることになる。NTTソフトウェアの「TopicRoom」の場合、「管理者がいつどんなチャットログをエクスポートしたのかも記録する」(林田剛太郎氏)という。

また、パワハラやセクハラ対策として、禁止ワード機能を備えるビジネスチャットもある。

「既読」はどうするか?LINEによるコミュニケーションの特徴としては、既読表示とスタンプ機能が挙げられるが、この2つもビジネスチャット選びで大切なポイントだ。

既読表示とは、メッセージを閲覧すると、相手の画面に「既読」と表示される機能。自分が送ったメッセージを相手が見たかどうか分かるという便利さの半面、受信側には「すぐ返信しなくては」という強制感、送信側には「既読なのに返信がない」というイライラ感をもたらす。

既読表示には良い面と悪い面があるわけだが、そのためビジネスチャットの中には既読表示の機能を備えないものもある。

その代表例はChatWork/KDDI ChatWorkだ。「LINEと違って、既読表示がないのが気に入っている。既読表示があると、すぐ返事しないといけないから大変」と話すChatWorkユーザーは多い。

一方、レジェンド・アプリケーションズの「COMPANY Messenger Powered by LaKeel」のように、既読表示に加えて、「在席中」「離席中」「スマートフォンでログイン中」といったステータス表示まで行えるビジネスチャットもある。

迅速なコミュニケーションを追求するか、一定の距離感のあるコミュニケーションか――。最近は、既読表示を行うかどうかを、ユーザー企業の管理者側で設定できるビジネスチャットも登場している。

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