グリー流「クラウド仕事術」――チャットとGoogle Appsが業務スピードを変える

「コミュニケーションツールの選択はIT部門の最重要テーマ」――。そんなグリーの社内で大活躍しているのが、「Google Apps for Work」と「KDDI ChatWork」だ。インターネット業界をリードするグリーは、どのように業務スピードの向上を図っているのか。同社のICT活用術に迫る。

震災発生の当日にGoogle Appsの導入を決定グリーの経営層がGoogle Appsの導入を決めたのは2011年3月11日、東日本大震災が発生した当日のことだった。

「グリーとして、この災害にどう対応していくのか。マネジメントたちは震災当日、緊急会議でいろいろなことを決定していきましたが、その1つが Google Appsの導入でした」と情報システム部 マネージャーの高橋靖宙氏は振り返る。そして情報システム部は、わずか数日のうちに、全従業員へのGoogle Apps導入を完了させる。

以前からGoogle Appsの検討を進めてきた背景があったとはいえ、同社のスピード経営の一端が垣間見られるエピソードといえるだろう。

情報システム部 マネージャー 高橋靖宙氏
開発本部 情報システム部 マネージャー 高橋靖宙氏

震災発生を受けて急きょ、グリーがGoogle Appsの導入に踏み切ったのは、Gmailなら外出先でもオフィスと同等のメール環境を実現できるからだった。「マネジメントが最も懸念したことの1つが、出社できない社員が続出し、事業継続に支障を来たすことでした」と高橋氏は言う。

同社では従来、POPベースのASP型メールシステムを利用していた。「POPはその性質上、メールをダウンロードするとサーバー側にデータが残りません。そのため他の端末から同じメールを読めなくなります。しかし、当社のマネジメントや従業員の外出や出張の機会が次第に増えていくなか、オフィスで使用しているPC以外からもメールを確認したいというニーズが高まっていました」(高橋氏)。

そこで、IMAPベースのメールシステムを検討していたが、その有力候補の1つがGoogle Appsだったのである。IMAPは、サーバー上のデータにアクセスしてメールを閲覧するため、マルチデバイスでの利用に適している。

グリーが利用しているのは、KDDIが提供しているGoogle Apps for Workだ。「Google Appsの標準機能だけでは満たせないシングルサインオンなどを、豊富なアドオンサービスによって実現できた点が採用理由の1つです」と高橋氏は語る。

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