ジュニパーネットワークスは2015年10月30日、同社のSDNソリューション「Contrail」に関する記者説明会を開催した。
説明を行ったのは、「OpenStack Summit Tokyo」のために来日していた米ジュニパーネットワークス コーポレート・バイスプレジデント 兼 クラウド・ソフトウェア担当ゼネラルマネージャのアンカー・シングラ氏である。
Contrailは、オーバーレイ方式のネットワーク仮想化ソリューション。ジュニパーが2012年に買収したContrail Systems社のSDNコントローラ技術がベースになっているが、シングラ氏はそのContrail Systems社の創業者でCEOだった人物である。
Contrailの特徴 |
同氏は会見でまず、Contrailの特徴について説明した。Contrailは、OpenStackなどと同じApache License 2.0のもとで配布されているオープンソースソフトウェアだ。オープンソース版のOpenContrailと商用版が提供されているが、その違いはサポートの有無だけだという。
Contrailは前述の通り、オーバーレイ方式のネットワーク仮想化ソリューションであるが、仮想マシンに加えて、Linuxコンテナ(Docker)やベアメタルの環境にも対応しているのが大きな特徴の1つ。
「例えば大手の銀行や大手のインターネット会社は、ネットワークを仮想化するために、自社の大規模なレガシーシステムに修正を加えることは好まない」
Contrailなら、仮想マシンだけではなく、Linuxコンテナやベアメタルにも対応するため、既存のレガシーシステムはそのままにSDNを展開できるという。また、ロードバランサーやファイアウォールといったネットワークアプライアンスに関しても、物理と仮想アプライアンスの双方に対応する。
さらに、OpenStackやAmazon EC2、通信事業者の独自OSS/BSSなどとの連携が、「Out-of-Box(買った途端にすぐに使える)」で行える点も特に強調された。
レガシーシステムやAWSのようなパブリッククラウドにも対応 |
シングラ氏は会見中、この「Out-of-Box」という言葉を頻繁に用いたが、なかでも「Contrailクラウドプラットフォーム」の説明において何度も繰り返した。
Contrailクラウドプラットフォームとは、OpenContrailやジュニパーのOpenStackディストリビューション、NFVなどを組み合わせた統合型クラウド管理プラットフォームのこと。マルチテナント対応のルーティング&スイッチングやIPAM/DNS/DHCP、サービスチェイニング、完全なるロードバランシング機能などを備えているという。
Contrailクラウドの主な特徴 |