SIPサーバーを核とするユニファイドコミュニケーション(UC)製品を提供する香港デルタパスが日本法人を開設し、国内市場の開拓に本格的に乗り出す。
7月1日に設立されたデルタパスジャパンの代表には、ポリコムジャパン等でビデオ会議/UCビジネスの経験を持つ奥田智巳氏が就任した。事業戦略について同氏は、「シスコシステムズやNEC等のユーザーにリプレースを仕掛けるような戦い方をする体力は正直、まだない。個々のお客様や業種特有のニーズに応えてカスタマイズしたソリューションを提供できる当社の強みを活かすところからスタートしたい」と話す。
デルタパス CEOのデビッド・リュウ氏(左)と、デルタパスジャパンのカントリーマネージャに就任した奥田智巳氏 |
デルタパスの主力製品であるSIPサーバー「frSIP(エフアールシップ)」は、IP-PBX機能にボイスメールや電話会議・ビデオ会議といった機能を併せ持つUC サーバーだ。スマートフォン/タブレット端末で内線電話やビデオ会議が行えるモバイル連携機能も備える。
ただし、デルタパス自体はグローバルで従業員が28名と小規模であり、国内の販売/サポート体制もこれから拡充するとあって、他のUCベンダーと真っ向から勝負するのは難しい。
そこで、frSIPをベースに、ナースコールシステム等の業務システムと電話/ビデオを統合したソリューションや、他社のUC/ビデオ会議製品、モバイル端末を連携させるゲートウェイ装置やアプライアンス装置を開発・提供するなど、複数システムを連携させる“つなぎ役”を果たすことで、国内UC市場で独自の立ち位置を築いていく考えだ。