MyPermissions Japan(本社:東京都新宿区)のセキュリティアプリ「Smart・Checker(スマート・チェッカー)」の販売が好調だ。
全世界でこれまでに約220万ダウンロードされており、今年4月からは日本国内で有料版として展開している。
イスラエルのアプリベンダーであるOnline Permissions Technologiesが開発したスマート・チェッカーは、 スマートフォンでSNSを利用する際の個人情報の流出を防止するもので、国内ではMyPermissions Japanが独占的に販売する。
Online Permissions TechnologiesのCEO、Olivier Amar氏(左) とMyPermissions Japan代表取締役の西川智史氏 |
スマートフォンの普及に合わせて、アプリなどに関するトラブルや相談件数が急増している。こうした状況を受けて、モバイルセキュリティ市場は2013年の58億円から、18年は2倍以上の123億円まで拡大するとの予測もある。
スマートフォンのセキュリティ対策といえば、大手セキュリティベンダーが提供しているセキュリティアプリが一般的であり、通信キャリアもこれを推奨している。それだけに「セキュリティアプリをダウンロードしておけば安心」と高をくくっているユーザーも多い。
確かに、セキュリティアプリは不正アプリ対策やWeb脅威対策、盗難/紛失対策など、個人情報の漏えい・不正読み取りを感知する機能を備える。ところが、スマートフォンがユーザーの生活の一部となり使われ方も多様化してきたことで、新たな脅威も生まれている。
FacebookやLINEなどのSNSを利用する目的として、フィーチャーフォンからスマートフォンへ移行するユーザーがますます増えているが、個人情報との連携内容を確認せずにアプリを認証することで、自分が承認した仲間にスパム投稿が自動で拡散される「代理投稿」などのトラブルが急増しているのだ。こうした現状に対し、「どのアプリがどのような個人情報を取得しているか把握し、なおかつ個人情報が内側から流出することを防止する対策が必須となっている」とMyPermissions Japan代表取締役の西川智史氏は指摘する。
スマート・チェッカーはアプリ上における個人情報連携のチェック・管理・解除を行うことができ、新たな脅威にも対応するセキュリティサービス。SNSと連携しているアプリがどの個人情報にアクセスしているのか、ユーザー本人が簡単に把握することができる。
個人情報にアクセスする危険性のあるアプリ を通知し、ユーザー自ら解除できる |
アプリのアップデートにも対応しており、知らない間にアプリ上で新たな個人情報へのアクセス権限が追加されても「リアルタイムアラート」機能で即座に通知する。以前、米AmazonがAndroidアプリの独自アップデートを実施した際、位置情報アクセスなどさまざまな個人情報を追加で取得しようとしたとして物議をかもしたが、こうした事態も防止することが可能だ。
各種オンラインサービス上で連携しているアプリを1つのダッシュボード上で管理するので、意図しないアプリ連携があった場合は、その場で複数の連携アプリを解除することもできる。
アプリ単位でのパーミッション(許可)の編集を行うアプリは他にもいくつかあるが、リアルタイムアラートをはじめ、連携アプリのリスク診断やSNS側のオートスキャニングなどはスマート・チェッカーの独自機能という。
月額利用料金は350円(税抜)で、1ライセンスにつきスマートデバイス3台まで利用可能。App StoreおよびGooglePlayから購入でき、9月中にはPCへの対応も予定している。
MyPermissions Japanでは、大手販売代理店や家電量販店を通じて展開しているが、今後は通信キャリアとの連携も模索していく。MM総研によると、SNS利用者数は16年に7000万ユーザーまで拡大すると見られる。「スマート・チェッカーの潜在的なユーザーは非常に多い」と西川氏は意気込む。初年度は100万ライセンスを目指したいという。