このSDIを実現するために、インテルはどのような取り組みを行っているのか。平野氏は、4つのポイントを挙げる。(1)仮想化を軸とした革新的な 技術開発をけん引すること、(2)その技術をオープンかつスタンダードなものとすること、(3)パートナーとのエコシステムを構築すること、そして(4) 新ビジネスの創出に貢献することだ。
SDIを実現するための4つのポイント |
(1)に関しては、下図のように、ネットワークの領域でもインテルはさまざまな研究開発を行ってきている。CPUの性能向上はもちろん、パケット処理を高 速化するネットワークコントローラやビデオ処理のアクセラレータも開発。また、汎用プロセッサで高速なネットワーク処理を行うソフトウェア技術 「Intel DPDK(データプレーン開発キット)」によって、ネットワーク領域への仮想化技術の導入を支援している。
(2)のオープン化/標準化については、「インテルのソフトウェアのほとんどはオープンソースとして提供している」。ETSI NFV、OpenStack、Ceph、Open Daylight、ONFなど、各種団体における標準化活動にも積極的に貢献していることを紹介した。
(3)のエコシステム構築も着実に前進している。NFV/SDNの推進を目的としたパートナーとの協業を進めており、2013年に発足した「インテル ネットワーク・ビルダーズ・プログラム」には現在135社が参加、15年末には175社の参加を見込んでいるという。
エコシステム構築に向けてパートナーとの共同実験、共同開発等を進めている |
こうした取り組みもあり、すでにNFV/SDNの導入について30件以上のパイロット検証を実施。「ちょうど今、SDI構築が始まりだした」と平野氏は力 を込める。下図のように、通信事業者でもNFVの導入検討が進んでいる。コアネットワークや運用管理/顧客管理システム、データセンターといった設備に NFVを導入し、柔軟性・俊敏性の高いビジネス基盤を構築しようとする取り組みが加速しているという。
通信事業者のNFV導入例 |
インテルはまさに、SDI実現に向けたベースを着々と整えているようだ。今後、さらなる技術開発とエコシステム構築を進めるのに加え、(4)ビジネス機会の創出にも積極的に取り組んでいく構えだ。