HDビデオ会議ベンダーのライフサイズは2015年2月18日、新製品「Lifesize Icon 400」「Lifesize Icon Flex」を発表した。合わせて、ビデオ会議サービス「Lifesize Cloud」の機能も強化する。
ライフサイズ・日本代表(カントリーマネージャー)の関根徹氏 | カメラ一体型ビデオ会議システム「Lifesize Icon 400」 |
「Lifesize Icon 400」は、小規模な会議室用のカメラ一体型ビデオ会議システム。6倍ズームPTZカメラを備え、手のひらサイズのコンパクトな筐体としたのが特徴だ。会議室や打ち合わせスペースに持ち運び、HDMIケーブル、LANケーブルを挿入して電源を入れれば使い始められる。なお、映像は1080p30/720p60、HDオーディオに対応している。
2月18日から販売を開始し、希望小売価格は2499ドル。日本代表(カントリーマネージャー)を務める関根徹氏は、競合他社の製品に比べて価格を抑えたことで、「中小企業にもビデオ会議を広げていきたい」と話した。
Lifesize Icon 400とLifesize Cloudを使ったデモの様子 |
もう1つの新製品「Lifesize Icon Flex」は、PCでMicrosoft LyncやSkype、Google Hangouts、Cisco Jabber、WebEXなどのコミュニケーションアプリを使う際に用いるビデオ会議用の“PC周辺機器”だ(筐体、サイズはIcon 400と同じ)。単体では動作せず、USBケーブルでPCやMACに接続して使う。
Web会議用のUSBカメラやマイクスピーカーフォンと同じような位置づけの製品となるが、ビデオ/音声のキャプチャと処理はIcon Flexで行うため、性能が低いPCでも高品質な映像と音声が使えるのが特徴だ。ライフサイズの競合となる「マイクロソフトやシスコシステムズのビデオアプリケーションで使える製品を投入することで、我々の知名度を上げることも狙いの1つ」と関根氏は話した。
なお、希望小売価格は1999ドルで、提供は2015年3月から開始する予定だ。
Icon 400とIcon Flexの特徴 |
Lyncとの相互接続が可能に
PCやMAC、スマートフォン/タブレット端末でビデオ会議が行えるサービス「Lifesize Cloud」も2月から機能を拡張する。目玉は、広く普及している他社製コミュニケーションツールとの相互接続をサポートした点だ。
Lifesize Cloud機能拡張の内容 |
Microsoft LyncのクライアントアプリからワンクリックでLifesize Cloudの会議室から参加できるようにしたほか、OutlookやGoogleカレンダーから直接、ビデオ会議の予約を入れたり、参加者を招待することができるようになる。また、Firefox、Internet Explorer、Google Chrome、Safari等のブラウザから直接Lifesize Cloudのビデオ通話を開始することも可能だ。場所を問わず、多様なデバイス、アプリケーションから参加できるようにして、ビデオコミュニケーションの利用を広げる狙いがある。
Lifesize Cloudはユーザー数に応じて利用料金が課金されるサービスだが、この料金プランについても、大規模ユーザー向けの新プラン「Lifesize Cloud エンタープライズ購買プラン」を追加した。100人から5000人規模まで、社員数に応じて価格を設定するもので、例えば、5000人規模で複数年契約をした場合、1人当たりの利用料金は年間2800円になるという。
先述のビデオ会議端末、Lifesize Cloudとも、ライフサイズの代理店から販売される。関根氏はLifesize Cloudの機能拡張を機に、販売代理店の拡充にも力を入れる方針だ。現在、オンプレミス型を販売しているパートナーに対して、「オンプレミスでは取れない案件に、低コストで導入・運用できるLifesize Cloudを代替案として使っていただきたい」とメッセージを送った。