ジュニパーが日本を含む世界9カ国を調査新興国とインターネット――日本との違いに見る“新興国戦略”のヒント

スマートフォンの急速な普及を背景に、インターネットが世界中に広がっているが、人々の日常生活に与えている影響は新興国のほうが大きいようだ。新興国の97%の人が「インターネットで日常生活が変わった」と回答している一方、日本は60%にとどまっている。

新興国では、個人の成長・啓発に利用されるスマートフォン

インターネットの利用用途についても、新興国と先進国の差を見ることができる。

先進国では、ネットバンキングやネットショッピング、地域情報の検索など、個人の利便性のためにコネクテッド・デバイスを使用する傾向がある。ところが、新興国では、ビジネス用途や教育目的で利用している人々が多いという結果が出た。ちなみに、教育目的のために使っている人の割合は、日本ではわずか6%。新興国の4分の1に過ぎない。

個人の成長・啓発 VS 日々の利便性

この結果についても、ビジネスのためのインフラや教育環境が先進国ほど整備されていないことの“裏返し”という側面はあるだろう。

しかしいずれにせよ、新興国においては、コネクテッド・デバイスはそうした“格差”を埋めると同時に、個人を成長・啓発させるツールとして活躍しているのである。

反比例するインターネット接続の品質と満足感

モバイルを中心にインターネットの普及が進んでいる新興国だが、その品質は当然ながら先進国よりも劣っている。

ただ、面白いことに、インターネット接続の品質に対する満足度は、新興国のほうが高いという結果になっている。高品質のインターネット接続が当たり前の先進国のほうが評価が厳しいのだ。なお、9カ国の中でインターネット接続の状況に最も満足していなかったのは日本の人々である。

インターネット接続の品質と満足感が反比例

この結果からは、「新興国では、必ずしも高品質にこだわる必要はない」という教訓を得ることができるだろう。

近藤氏は、「国や個人単位によって求められているものが異なるため、各国における重要な相違点を見極める必要がある」とし、“パーソナライズ化”がサービスプロバイダーにとって重要になると指摘する。

新興国の生活レベルは、先進国と比べれば依然低い。しかし、新興国の人々は、インターネットが自分たちの生活レベルを今後さらに向上させるだろうと強く期待している。

先進国とのギャップを理解し、彼らのニーズに合致するインターネット関連サービスを提供すれば、新興国の人々は熱狂的に受け入れてくれる可能性があるということだ。

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